荻野 千恵美
CHK講師、ホメオパス
武庫川女子大学卒業。元小学校教師。夫と娘の病気を期に人生と健康の意味について 深く考える機会を得る。氣圧療法士の資格を取得しセラピストとして活動。その後大阪のホメオパシースクールでホメオパシーを学び始め、2007年9月卒業。卒業後は、Misha Norland、Jeremy Sherr、David Mundy、Murry Feldman、Rajan Sankaran、Jo Dalyら多くの実力あるホメオパスからの学びを深めてきた。専門コースでは、主にマテリアメディカの授業を担当。古典的なマテリアメディカやオルガノンの中にはホメオパシーの果てしなく広く深い世界があり、生徒さんやクライアントさん達の内面にも果てしなく広く深い世界がある。これら二つの世界に繋がりを見つけた時の深い感動。それを生徒さんに伝えられたらと願って来た。弊HPの連載「レメディの使い方ABC」は、2014年12月、冊子にまとめた。
ホメオパシーに対して感じている魅力について教えてください。
ホメオパスは、人の話を聞く仕事です。その人が、心や身体で経験していることを、じっくりお聞きします。「あなたのことを、話して。」「そのことについて教えて。」「それは、どんな感じ?」静かに、その人の言葉に耳を澄ませます。そして、話がしっかり聞けたら、ホメオパシーの知識を駆使して、レメディを探していきます。
日々の生活の中で、人はみなそれぞれ違った受け止め方をし、反応します。その人特有の受け止め方や、反応の仕方によく似た自然界の物質は何か?それを探していきます。その時、自然界のことは知らなくても大丈夫。レメディが、人にどのような症状を起こすかというのは、マテリアメディカ(薬効書)に書かれているし、症状からレメディを検索していく辞書(レパートリー)もあります。そして、それらの情報は、ホメオパシーの200年間の歴史の中で積み上げられてきた確かなもの。
ホメオパシーは、人が感じる症状の向こう側にある生命力に働きかけます。ですから、良いレメディに出会えた人は、明るく暖かな光がともったような感じになります。一番奥の方から硬いものが解け出し、風向きが変わっていくような感じ。固く握りしめていた病的なものを手放し、より健康的で自由な人になっていきます。あまりにも、自然なので本人は気づかないこともよくあります。
いのちを持った人間は、機械ではありません。部分の集まりではなく、全体として1つの存在。
ホメオパシーを学び続け、ホメオパスとして活動する中で、私は自分自身がどんどんシンプルになり、健康になっていくのを感じています。人間の不思議。自然界の不思議。これらを貫く、原理と原則があるということ。
私が感じるホメオパシーの魅力とは、どこまで学んでも果てしのない広がりと深さを持つ世界であるということ。そして、人を本質的に健康な方向へ向かわせてくれるということです。
CHKの生徒さん達に一番伝えたいことは何ですか?
専門コースの1期生の生徒さんの中に、「ホメオパシーの世界観が好き。」と言われた人がいました。私は、これで十分だと思います。
自然界の物質からエネルギーを取り出したものを使って、人の見えない生命力に働きかけるといっても、今の社会常識は受け入れてはくれません。しかし、いつの時代も、その時の社会常識の中では解決できないことが起き、それを乗り越えようとして新しいものが生まれてきました。社会にまだ、認められていないものを仕事にするのは大変なことです。しかし、これほどワクワクすることもないと思います。
私自身、家族が皆健康な時は、病気で困ったら病院に行けばいいと考えていました。しかし、本当に病気で苦しんだ時、病院だけでは解決できないという経験をしました。主人も、娘も多くのセラピスト達に助けられました。さまざまな代替療法を訪ね歩き、多くの保険のきかないセラピスト達に会いました。実力の試される厳しい仕事だと思いました。
今、ホメオパスとして、心身に悩みを持った人の話をお聞きしていると、かつての私たちのように、今の通常の医学ではカバーしきれない人が多いことに驚きます。
ホメオパスとして、悩みや苦しみを持つ人に寄り添っていけるような人が、これからは、ますます必要とされるのではないかと感じています。
CHKで、多くのよきホメオパス達が育ってくださることを願っています。たくさん育ってほしいと思っています。
参考
ブログでホメオパシーについてご紹介しています。ご覧ください。