レメディの使い方ABC
胃腸系:ヌクス・ボミカ Nux-v.
2010-02-11
めずらしく京都で雪の降った日、ちょうど北陸でのセルフケコースの最終日でした。
久しぶりに、北国の雪景色を満喫できました。
豊かに広がる水田は、真っ白。
そのむこうに見える白山を中心とする山々も、雪化粧を
してもらって、清らかで気高い姿でした。
冬の間、雪のふとんをかぶって、じっくり休むので、田圃の土はエネルギーをしっかり貯え、おいしいお米がとれるのでしょうか。
また、このあたりの人たちは、雪に閉ざされてしまうので、冬の間はじっと家にこもって、手仕事をして過ごしてきました。
加賀百万石の豊かな文化をささえる工芸品を作ってきた、伝統を受け継ぐ匠たちが、たくさん育ったのも、そういった環境と関係がありそうです。
日本で、一番多く人間国宝が、住んでいる地方だとか。
セルフケアコースは、月に1回、半年間続きました。
毎月、サンダーバードに乗って、季節が、少しずつ変わっていく車窓風景を眺めるのは、楽しいものでした。
夏の名残の残る9月から始まって、深まる秋とともに美しく色ずく山々の景色となり、
そして、寂しい冬枯れへ。
それとともに、参加者のみなさんとの距離は近くなりました。
また、参加者のみなさんたち同士も、和やかな、親しみの雰囲気が育ちつつあるのを、感じることもできました。
最後に、参加者の方々に、セルフケアコースを6回受けていただいた感想をお聞きしたいので、アンケートをお願いしました。
さまざまな、ご意見ご感想を頂くことができました。
そのなかには、とてもうれしいご感想もありましたので、ちょっと、ご紹介してみます。
「今まで、安易に 自分にあてはまる症状にあわせて かなり飲んできましたが、今となっては、よくそんな危険なことをしていたものだと思います。
また、たいした変化を感じることもありませんでしたので、レメディは気休めくらいに思っていました。しかし、そのときにぴったりのレメディが選べれば、ものすごい助けになるということもわかりました。」
このコースは、広く日常的なトラブルにホメオパシーで対応してもらえるように、レメディの使い方をお教えするのが目的です。
でも、レメディとは何か?人のどんなところに働きかけるのか?ということを毎回お話しています。
ホメオパシーの考え方の土台のようなものです。
レメディは、その人をひとつにまとめている、目にはみえない大切なバイタルフォースに働きかけます。
病院で処方される現代薬とも、サプリメントとも全く違ったものです。
レメディは、健康な人に病気の症状を引き起こす力を持っています。
その力を使って、似た症状を、健康的な状態に戻そうとするのがホメオパシーです。
この一番お伝えしたかったことを、しっかり受け止めていただけた半年間だったと、感じることができました。
また、同じ講座を、春から始めたいと考えています。
お近くの方は、ぜひ、ご参加くださいね。
では、始めましょう。
「セルフケアコース 神経・感情から起きる不調に適するレメディ」その4
<ヌクス・ボミカ> Nux-v.
原料は、マチン科の常緑高木の種子です。
この種子には、ストリキニーネなどのアルカロイド系の強い毒性の成分が含まれています。
この毒性は、神経系に作用し、痙攣やひきつけを起こします。
セルフケアでは、食べすぎ、飲みすぎのときに、まずは選ぶレメディの1つです。
もし、あなたが、このレメディの原料である種子として、ジャングルの土に落ちた1粒のような存在であれば、どのような気持ちで生きていくでしょうか?
なんとしても、高くそびえる大きな木となりたいと思うでしょう。
そのためには、敏感に光や、温度、水分に反応し、まわりに落ちたライバルの種子たちよりも一刻でも早く成長しなくてはなりません。
そうすることによって、より光を浴びることができます。
それこそが、この植物の生命線でもあります。
ヌクス・ボミカは、AMBITIOUS. とても、野心的な人です。
目標をめざして一直線に突き進みます。
最近人気の経済評論家に、勝間和代さんという方がいますね。
今の若い女性に強く支持されているカリスマ。
彼女は、今の女性たちが人生の目標とする「キャリア、マネー、ファミリー」の獲得のための、最短距離の走り方を、教えてくれる人のようです。
近所のコンビニにも、彼女の本が置いてありました。
タイトルは「インディをめざそう。」インディペンダントな生き方をすすめています。
独立というのは、このレメディの中心テーマでもあります。
また、彼女は服やバッグ、アクササリーの売り場には興味はないそうです。
それよりも、家電量販店。
家電製品は、私たちに「効率、合理性」を提供してくれます。
ヌクス・ボニカは、効率、合理性を求める人です。
種子が発芽して、大木めざして成長しようとするとき、どうしてもさけられないものがあります。
風が吹いてきたり、落ち葉が落ちてきたり、ほかの植物がのしかかってきたり。
自分の行くてを阻むものです。
ヌクス・ボニカの人が一番嫌がるのも、こういった邪魔です。
邪魔されるのを、我慢できない人たち。
職場では、できの悪い部下や同僚かもしれません。
家庭では、子供。
激しく、彼らをしかりつけてしまいます。
運転中、渋滞に巻き込まれるのも我慢なりません。
マテリアメディカ(薬効書)のヌクス・ボミカのページを開くと、精神症状にも全身症状にも“URGE”という文字が出てきます。
「駆り立てる」「追い立てる」「刺激する」「せきたてる」という意味があります。
目標に向かって突っ走ろうとしているとき、自分の子供であれ、職場の部下であれ、手足まといとなるようなことをするものには、容赦がありません。
追いたて、せきたて、攻め立てて、強行突破しようとします。
こういった行動パターンが、この人の中心にあります。
この人の一日は・・・・。
朝は、必要以上に早く目覚めてしまいます。
目覚めると、仕事のことが頭をかすめ、もう寝付けません。
そして、いざ起きる時間になると疲れがとれず、リフレッシュしないまま、起き出さなければなりません。
トイレにいくと、排便も、無駄にいきむばかりで、なんだか、出切らない感じ。
寝覚めが悪くすっきりしない身体を、コーヒーを飲んで、神経を刺激し、なんとか出勤。
仕事中も、コーヒー、タバコで、自分を駆り立てがんばります。
食べ物も、刺激物が大好き。
刺激は、アルコールや女性にも求めてしまいます。
ここまで書くと、こんな人もしそばにいたら、たまらないなあ・・・という気がしますが、調和のとれた健康的な状態であれば、頼もしい人となります。
段取りよく、効率的に仕事をこなします。
競争心が強く、負けず嫌いですから、何をするにも熱心に努力します。
とても敏感なので、まわりの人への気配りも行き届いています。
音にも、敏感です。音楽を愛する優しさも持っています。
また、このレメディの原料となる種子は、黄土色の平べったい「ボタン」のような形をしていますが、ヌクス・ボミカの人は、一番上のボタンまで、しっかり留めるような人です。
寒がりな人でもあり、なんでも、きちんとしなくてはいられない人でもあります。
ヌクス・ボミカを初めて勉強したときは、厳しいビジネスマンのイメージを持ちました。
でも、最近は、女性に多いような気がします。
時代が、女の人に依存的な生き方を許してくれなくなったからかもしれませんね。