レメディの使い方ABC
神経・感情から起きる不調に適するレメディ
2009-11-17
こんにちは、荻野千恵美です。
先月、オーストリアからお二人の講師をお迎えして国際セミナーをしました。
まだ、それから一ヶ月しかたっていませんが、なんだかずいぶん前のような気がしてなりません。
私自身、スタッフの一人として、この行事がうまくいくだろうかと、ずいぶん緊張していたせいなのかもしれないと思っています。
私達が、初めての国際セミナーをするにあたり、オーストリアの先生方にお願いをしたことがありました。
まず、私たちのレベルについて理解をして頂きたいということ。
私たちの学校は、「ホメオパシーの寺子屋」として、スタートして2年目です。
本格的に学び始めて1年半の2年生。
まだ、半年そこそこの2年生。
わかりやすく、ホメオパシーの基本をしっかりと教えてくださいと、お願いしていました。
そして、私たちのリクエストを踏まえて、先生方が持ってきてくださったテーマが、「元素のレメディ~周期律表を解き明かす」でした。
元素とは?
古代ギリシャでは、哲学者たちによって「万物の根源的な構成要素である。」と定義されていました。
近世になって、ロバート・ボイルによって「それ以上分割できない物質」と定義付けられ、私たちも高校の化学では、そのように教えられました。
私たちの身体も、植物も、動物も、昆虫も、たくさんの元素が複雑に組み合わされてできています。
この元素を、番号順に並べて表にまとめたものが周期律表です。
高校の化学の授業では、
スイ(H)ヘー(He.)リー(Li.)べ(Be.)・・・・って習いましたよね。
それを、ホメオパシーでも、使います。
周期律表では、元素が、横に18個、縦には、7列、並んでいます。
高校の化学の授業では、横の列を「周期」縦の列を「族」と習いました。
メンデレーエフという科学者が、縦の列に似たような性質を並ぶようにして、横の列が下にいくほど元素の原子量が大きくなるように表にまとめました。
ホメオパシーでは、横の列を、「シリーズ」といって、それぞれにテーマを持たせてあります。
また、縦の7列も、「ステージ」といって、それぞれに、テーマ、特徴があります。
縦に共通のテーマを持つステージは、1から始まり10で、トップに立ち18で終わります。
これは、誕生し、成長し、成熟して衰退し、死んでいくという、人間の一生にたとえられます。
組織や、国家、歴史の流れをみてもこういった変遷はどこにでもみられる一般的なものです。
シリーズは、下にいくほど、重い雰囲気となります。
シリーズごとに、そのシリーズを代表する元素の名前が付けられていて、上から
水素シリーズ、炭素シリーズ、シリカシリーズ、鉄シリーズ、銀シリーズ、金シリーズとなっています。
そして、それぞれの元素のレメディの特徴を、その元素が、どのシリーズのどのステージに位置しているのか?ということで考察していきます。
ホメオパシーのレメディは、自然界の物質を原料にして作られています。
そして、この自然界を構成する一番の基本の単位が元素(エレメント)ですから、ここから学び始めるのが、いちばんよいのだと思います。
また、ホメオパシーの考え方の中でもっとも難解であるとされているところのひとつに「マヤズム」があります。
これについても、18のステージに関連させて、とてもわかりやすく教えていただきました。
オーストリアの先生方も、5~6年前から解説できるようになったのだそうです。
私は、大阪の4年制の学校で学びました。
国際セミナーでは、巨匠とよばれる立派な先生を呼んでいただき、その先生方の魅力あふれるお人柄や名講義に感銘を受けたものでした。
でも、私からみれば、あまりにも遠い存在。
客席から、あこがれ、拍手を送る方たちでした。
卒業してからは、インドのサンカランや、彼の弟子たちのビデオセミナーに行ったりしています。
今、ホメオパシーは、インドが最先端。
彼らのケーステイキングは、私からみれば、魔法です。
インドでは、医学部に行った人たちが、現代医学に進むのか、ホメオパシーを学ぶのかを選択して勉強を始めます。
インドのホメオパスのスキルは、優秀な若い脳みそを、潤沢な時間を使ってトレーニングして身に付けたものです。
彼らも、私にすれば、麓から、とおいアルプスの山並みを仰ぎ見るような感があります。
今回、オーストリアから来てくださった先生方は、CHK顧問のミハエラ先生が「ホメオパシーの寺子屋」のためにつれてきてくださったお二人です。
今の、まだよちよち歩きの日本の生徒たちのそばに来て、手をとって一緒に歩いてくださる暖かさがありました。
あらためて、ミハエラ先生の、今の日本の現実を見る目の確かさに驚いています。
お二人の先生方も、日本の生徒たちとの楽しい3日間に大満足で、来年も同じ、10月の三連休に来ていただくことになりました。
今年は、シリカシリーズと鉄シリーズを勉強しましたが、来年は銀シリーズと金シリーズに発展していく予定です。
来年は、もっと楽しくたくさんの方に喜んでいただけるものとなると思います。
では、始めましょう。
「セルフケアコース 神経・感情から起きる不調に適するレメディ」 その1
今回から、神経や感情の問題から不調を起こしやすい人のレメディを学んでいきます。
とても神経質で、イライラしやすく、胃腸のトラブルをかかえやすい人のレメディとして3つ。
Arg-n.(アージニット) Ars.(アルセニカム) Nux-v.(ヌクス・モミカ)
私たちは、「神経を使う。」「神経をすり減らす。」「神経が行き届いている。」というような言葉をよく使います。
このような言い方をする時というのは、何かの仕事をしていく場合に多くみられるのではないでしょうか。
どちらかというと、男社会、職場、会社といった感じがします。
また、「感情でものを言うな。」「お前は、すぐ感情的になる。」などといわれるのは、どちらかというと、女性の方が多いような気がします。
感情が、とても豊か。感じやすい。敏感である。
こういったことは、人としての美点ですが、でもそういったところから、病理が始まっていく人も多いです。
そのような人に必要となりやすいレメディ2つ。
Staph.(スタフィサグリア) Ign.(イグナシア)
あと、補足として、脱水のレメディ Chin.(チャイナ)。
酸欠のレメディ Carb-v.(カーボベジ)。
乗り物酔い、不眠、時差ぼけのときに使えるレメディ Cocc.(コキュルス)Passiflora.(パシフローラ)。
これから、このようなレメディを順にご紹介していくつもりです。
以前、この講座に参加されていた、ユーモアに溢れる60代の男性がいました。
子供さんが3人で、お孫さんが9人いるとおっしゃっていました。
従業員が十数名の小さな会社をされていて、さまざまなタイプの人をまとめる苦労も経験されているようでした。
その方が、おもしろいお話をされました。
2回目の「子供に多い根本体質レメディ」を勉強したときは、うちの孫の顔があれこれ浮かんだ。
この子は、あれだ、あの子はこれだと、ぴったりくるのが、いくつか見つかった。
今回は、「大人に多い根本体質レメディ」ってところかな。
今日勉強したレメディにぴったりくるような神経質な従業員も、感情的にやられやすい従業員もうちの会社にはいるなあ・・・。
さすが、この方は人間通なんだなあ、と思いました。
人はだれでも、家庭や職場のさまざまな人間関係の中で、傷ついたり、怒ったり、イライラしたり、悲しんだり。
人が生きてく上で、おちいりやすい状況というものは、あるものです。
そんなとき、人は一人一人違った受け止め方をします。
でも、そういったところに、その人のレメディが見つかるヒントは、あるようです。
次回から、レメディをご紹介をしていきますね。
まずは、Arg-n.(アージ・ニット)から。
硝酸銀を原料とするレメディです。
お楽しみにね!