レメディの使い方ABC
咳:イペカック Ip.
2009-10-19
こんにちは、荻野千恵美です。
10月の三連休に、「クラシカルホメオパシー京都」では、初めての国際セミナーを開催しました。
オーストリアから二人の医師ホメオパスを講師としてお招きしました。
CHK顧問のミハエラ先生の恩師です。
男性講師のDr.Erfried Pichler.は、小児科病棟の小児ガンの子供たちに、女性講師のDr.Michaela Zorzi.は産婦人科で妊産婦さんたちにホメオパシーをされています。
オーストリアでは、医師以外の人がホメオパシーをすることは認められていません。ですから、お二人とも医師に対してホメオパシー教育をしておられます。
長年、オーストリアのホメオパシー教育のなかで中心的な役割を果たしてこられた方たちです。
私にとって、オーストリアといえば、クラシック音楽の巨匠たち、あるいは格式高いハプスブルグ家という威厳ある王家のイメージ。
講師の先生方は、まじめで、堅苦しい人たちかもしれないなと思っていました。
一方、先生方も、日本人は勤勉で寡黙な国民性。自殺者がとても多い国民ということで有名だそうです。そういうことから、講義で、冗談をいっても笑わないかも知れない人たちと、三日間付き合う覚悟を決めてやって来られたようでした。
ところが、出会ったとたん、お互いこれらが杞憂であったことがわかりました。
ふたをあければ、どちらも、ざっくばらん。お互い、賑やかで冗談ずきの陽気なもの同士でした。
セミナーの二日目は、授業会場の京大会館の近くにある吉田神社のお祭りでした。
ちょうどお昼頃、授業中に、なにやら楽しげな笛や太鼓の音が聞こえてきました。
生徒たちも、先生方も、じっとしていられなくなって、だれからともなく、誘われるように外へ出て、楽しいお祭りへの、飛び入りの参加となりました。
古式ゆかしき装束をつけた人々の行列。おみこし、獅子舞、笛、鐘、太鼓。
京大会館の前が、お囃子と踊りを披露する場所だったようでした。
オーストリアからのお客様を迎えた日に、このような行事が重なるなんて。
思いがけないハプニング!
この出来事は、「クラシカルホメオパシー京都の初めての国際セミナー」への、吉田神社の神様からの、はなむけだったのかもしれない。
そんなふうに、私には思えました。
それでは始めましょう。
「セルフケアコース 風邪のレメディ」その9
<イペカック Ip.>
原料は、吐根。
南米の熱帯雨林に生育する常緑低灌木で、日陰の湿った場所でよく育つ植物です。
レメディには、根を使います。
古くから、気管の去痰に使われてきました。
この植物は、呼吸器と消化器に作用をおこす毒性を持ちます。
風邪を引いたとき、咳にも苦しみますが、症状の中心が吐き気を伴うような咳のときに選ぶと良いレメディです。
気管支炎や喘息で、発作的な激しい咳をして、窒息しそうになったり、吐き気も伴うようなとき。
鼻血や、痰に血が混じったりすることもあります。
そのときの血は、鮮血です。
消化器の不調から、嘔吐や吐き気があるとき。
多量の唾液もでます。吐いても楽にはなりません。
舌が赤いのが特徴です。のどは、渇きません。
つわりのときの吐き気にも、良いレメデイです。
食べ物の匂いなどでおきる吐き気によいようです。
“Synoptic Materia Medica”(ホメオパシーの学校に入って最初に手にとる薬効書)によれば。
精神症状の項目に、ただ一行。
Hard to please とあります。
喜ばせるのがむずかしい人。
むっつりしていて、怒りっぽくなかなか満足できない人。
欲望は強いが、自分でも何が欲しいかわからない。不満足で不機嫌。
なにかを、すんなり受け入れられないということは、肉体的には、吐き出すことで表現するのではないでしょうか。
吐いてみたり。咳き込んでみたり。
ホメオパシーのレメディを選ぶときには、純粋に肉体的な症状を緩和したいときでも、ふと立ち止まり、「今の、気持ちは?」と自分を見つめる作業を付け加えることによって、よりシャープに作用してくれるものを使うことができるのです。
でも、自分が苦しみの渦中にいるときには、そうはいきません。
ですから、セルフケアの受講者の皆さんには、そんなときには、「遠慮しないで、お電話をください。」と言っています。
これで、風邪のときに役立つレメディのご紹介は終わりです。
次回からは、「神経・感情から起きる不調に適応するレメディ」をご紹介していきます。魅力たっぷりの大レメディたちが続々と登場します。
ご期待くださいね。