レメディの使い方ABC
風邪:ベラドンナ Bell.(ベラドーナ)
2009-05-17
こんにちは、CHK荻野千恵美です。
新緑の季節になったら、
ぜったいに行きたいと思っていたお寺がありました。
円徳院です。
もみじが中心の枯山水の庭を持つお寺。
ゴールデンウイークが終わったので、人出も少なくなっただろうと思い、
先週さっそく行ってみました。
豊臣秀吉の正室、ねねが晩年を過ごした場所です。
初めて訪れたのは3月でした。
桜の季節を待つこの頃、京都の素敵なスポットは、花灯篭で飾られます。
八坂神社から、清水寺に行こうとしていたとき、道沿いにあるこのお寺を偶然見つけました。
小さな門があって、そこから見える苔の美しさに、思わず引き込まれ、入っていきました。
ふすまや天井に描かれた絵。廊下や、部屋のたたずまいは、女性らしい優しさにあふれています。
晩年のねねは、家康から、化粧料をもらい、ここには多くの文化人が集まっていたようです。
政治的にも、キーマンの一人だったのでしょう。
一番の見どころは、北庭。
大小300個の石が置かれた枯山水です。
元は、伏見城にあったお庭を、ここまで運んだようです。
当時は、大名たちが権力者に、お国自慢の名石を献上するのが流行っていました。
それぞれの石には、その石を送った人の名前が入っているそうです。
苔もみごとで、庭師さんは、365日。
晴れても、雨でも、手入れが欠かせないとか。
私の一番のお気に入りは、茶室。
標準サイズよりは、うんと小さめです。
小さなにじり口から、入っていくと、照明のない空間は、昼間でも薄暗いです。
この茶室は、ねねの生きていた頃ではなく、江戸時代に、お茶好きだった住職によって作られたそうです。
季節の素朴な花と、「柔和忍辱は、衣なり。」というお軸が飾られているだけ。
省略しつくされたインテリアの中で、ごく限られたメンバーたちは、どのような時間を過ごしたのでしょうか?
お菓子は、季節ごとに変わるのですが、今回も絶品でした。
豊臣家の家紋である「千生りびょうたん」の形をした小豆のお菓子。
派手好みだった、秀吉らしさを表現するためでしょうか、金粉がついていました。
お茶のお世話をしてくださった方のお話では、北庭の景色もお茶室も、寒いけれど、
冬枯れの季節が一番のおすすめだということでした。
でも、私としては、季節が変わるたびに行きたいなと、思っているところです。
それでは、始めましょう。
セルフケアコース4「風邪のレメディ」その3
<ベラドンナ Bell.>(ベラドーナ)
子供が小さかった頃、私がこのレメディのことを知っていたなら、どんなに助けてもらえただろうかと思います。
昼間、元気に遊んでいたのに、赤い顔をしている。
おでこをさわると、すごい熱。
頭も痛いといって、泣き出したりして。
そんなときに限って、日曜日。
かかりつけのお医者さんには診てもらえず、夜間救急センターへ。
このレメデイは、このような状況にとてもよいです。
ただ、レメディに頼りすぎるのは危険です。
病院に連れて行くべきか、必要がないのか冷静に見極めなければなりません。
原料のベラドンナは、ナス科の植物です。
中枢系に働く毒性があるといわれているアトロピンという物質が含まれています。
これは、血管拡張、瞳孔散大、幻覚などをおこす力を持っています。
ですから、このような症状の時に役に立つレメディです。
頭痛でも、血管が拡張しているかのような「ズキズキ」する痛み。
高い熱がでて、首の動脈の脈動が「ドックンドックン」したり。
瞳が広がり目がキラキラしていたり。
顔は赤く熱で熱いのに、手足は冷たい。
熱にうなされ、幻覚をみてうわごとを言うようなとき。
また、この植物は、中世の魔女が好んで使った毒草でもあります。
いつも、黒い服を着て黒猫を連れた、魔女。
魔女は、子供や大切なものを守るために力をつけたそうです。
そして、現実と非現実の境目に生きていたような人らしい。
猫もそんな存在。犬は、現実側に生きている。
高熱が出て、意識と無意識の境目を漂うような感じになり、うわごとを言うような子供を、
魔法のように助けてくれるレメデイである、というのもおもしろいところですね。
カルク・カルブ(牡蠣の殻)の人は、ベラドンナ状態になりやすいといわれています。
これら2つのレメディは、すごく関係の深いレメディです。
このレメディを必要とすることの多い幼児期の子供は、よく急に高熱をだします。
ベラドンナによく、お世話になる年頃のようです。
小さな子供に、タイミングよく、ベラドンナを飲ませてあげることのできるお母さんは、子供にとっては、
頼もしい魔法使いのような存在かもしれません。
私は、できなかったけれど、こんなことのできるお母さんが、これから増えていってくれればなあと思います。