レメディの使い方ABC
ヘパ・サルファ Hep-s.(ヘパソーファー)
2009-02-24
こんにちは、CHK荻野千恵美です。
先日、梅苑公開中の、京都北野天満宮に行きました。
「東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとて春なわすれそ」
天神様として親しまれ、学問の神様である菅原道真。
受験の時には、だれもがおすがりする神社です。
苑内には、50種約2000本の梅が植えられています。
ものすごい数の梅が、いっせいに咲き出すのですが、その1本1本のどれもが、いつまでも、たたずんで眺めていたくなるような美しさで迫ってきます。
そして、梅に見とれながら歩くことに疲れてくる頃、たどり着くのが、国に指定された史蹟となっている「御土居」。
豊臣秀吉が、洛中洛外の境界や水防のために築いた土塁です。
積まれた石垣の美しさ。流れる水の清らかさ。水と石と土が育てる緑の放つ空気のさわやかなこと。
まさに、桃源郷の世界でした。
先週末には、おかげさまで、CHK3年制専門コースの1年生の最後の授業を無事終えることができました。
毎月、毎月、全力投球でやってきましたので、1年間の最後の授業UNIT40の授業が終わったときには、講師、スタッフ一同、感慨無量でした。
また、今月の授業には、東京から、講師として平野かおりさんにも来ていただきました。
一個人のホメオパスとして、開業し、クライアントさんとのやりとりの中で体験したこと。ホメオパスとしてお母さんとして、出産や育児の中で揺れ動いた心。
ホメオパシーのバックボーンとして学ばれたシュタイナーや野口整体など。
先輩ホメオパスの本音の声を聞けたことは、ホメオパスを目指すものには、よい刺激となり、勇気をもらえたようでした。
夜の懇親会もとても盛り上がり、「また来年も!」と講義のリクエストも上がりました。
CHK専門コースの見学会は、今回で終わりましたが、学校説明会の方はまだやっていきます。
ホメオパスを目指すことにご興味のある方は、是非お運びください。
それでは、始めましょう。
セルフケアコース3「怪我のレメディ」その10
<ヘパ・サルファ Hep-s.>(ヘパソーファー)
このレメディは、ハーネマンのインスピレーションで作られたと言われています。
牡蛎の殻の粉末と硫黄華を使って作りました。
牡蛎の殻(カルク・カルボ)と硫黄(サルファー)。
これら対局の性質を持つ物質を、るつぼ(密閉した加熱炉)に入れて高熱を加えます。
ハーネマンは、錬金術的な知識も豊富に持っていたそうですが、なぜ、このような試みをしたのでしょう?
このレメディには、カルク・カルボの臆病さと、サルファーの火のような激しさが、無理矢理結びつけられたことによる、一触即発のあやうさがあります。
ホメオパシー大百科事典(Dr.アンドルー・ロッキー著。産調出版)のP84~P85を開くと、ヘパ・サルファーとマーキュリー(水銀)が左右に並んで書かれています。
私は、「これって、偶然?」と、思いました。
ハーネマンが生きた時代は、梅毒患者が多く、彼らは水銀を使った薬で治療されていました。
ハーネマンは、水銀による薬害中毒に苦しむ人達に、このレメディを使ったそうです。
ヘパ・サルファーとマーキュリー。
並べて、見比べてみると、これらの症状には似た症状が多くあります。
これも、「似たものが、似たものを治す。」ホメオパシーならではのおもしろさです。
セルフケアでは、化膿したときに考えてみて、よいレメディだとされています。
できものができて、腫れて化膿してしまったとき。
「余談」として、この講座で、参加者の方達に、すごく楽しんでもらっているお話があります。
それは、「おできの一生」
ホメオパシーでは、「おできには、これ。」というレメディは、ありません。
おできでも、今どういった状態なのか?ということがレメディの選択にはとても重要なのです。
まず、おできができて、赤く腫れて、ズキズキ痛いとき。これには、ベラドンナがおすすめです。
そして、化膿して、もう痛くてたまらなくなったら、ヘパサルファ。
最後に、膿が少し残って、治りきらないときにはシリカ。これは、とげ抜きレメディとしても有名です。
おできにも、生まれてから死ぬまでの、一生の物語があるのです。
また、風邪の時でも、こじらせてしまって、のど、耳、鼻の炎症がひどく、化膿してしまっているようなとき。
ヘパ・サルファが、体質的にマッチする人は、とても敏感です。
痛みや、触られること、寒さには我慢ができません。
最も寒がり屋のレメディです。
マフラーをストーブで暖めてから、巻くような人。
寒さで悪化し、暖かく湿った空気で良くなります。
自分にバリアがなく、守られてない感じを持っているので、安全、お金、地位にこだわる場合もあります。
また、敏感なため、ささいなことにも、激しく反応してしまいます。
衝動的で、暴力的、不作法なところもあるかもしれません。
「火」とも関係が深く、「世界が燃えている。」というDelusion.(妄想、思い込み)を持っています。
火が好きで、火をつけたがったり、放火癖を持っていることもあります。
また、逆に消防士だったり。
マテリア・メディカ(薬効書)のヘパ・サルファのページには、“SOUR”という言葉が何度か出てきます。
この言葉を辞書で引くと、
1. 酸っぱい。酸性の。
2. 意地の悪い。不機嫌な。気むずかしい。天気がジトジトしている。
などと、あります。
ヘパ・サルファの人は、酸っぱい汗をかき、尿や便も酸っぱく、嘔吐物も酸っぱい匂いがします。
食べ物も、酸っぱいものが好き。
性格も、SOURです。
気むずかしく、不機嫌なことが多い人。
でも、敏感さからそうなるのです。
ですから、人の不快感や苦しみにも対しても感じやすく、それゆえとても、優しいところのある人でもあります。