レメディの使い方ABC
カンタリス Cantharis.(カンサリス)
2009-02-08
こんにちは、CHKの荻野千恵美です。
2月に入って、厳しい寒さが続いています。
今年もインフルエンザが大流行。
テレビでは、連日この病気の恐怖について報道されています。
我が家でのインフルエンザ対策は、手洗い、うがいなどもそうですが、なるべく鍋料理をするようにしていることです。
インフルエンザウイルスが、苦手なのは暖かさと湿気だそうですが、鍋料理は、家の中も、私達の心や体も、潤し暖めてくれます。
冷え込みの厳しい冬の夜、家路を急ぐ家族の帰りを待ちながら、鍋の用意をするのは楽しいものです。
京都にやってきて、近所の魚屋さんと仲良くなったせいもあって、我が家の鍋料理も以前より少しレベルアップしました。
鱧(はも)や穴子(あなご)のお鍋もよくするようになりました。
鰤(ぶり)も、薄づくりにしてしゃぶしゃぶで食べると最高です。
鰆(さわら)、いか、えび、など海鮮風の材料でカレー仕立てにすると、〆のうどんは、絶品のカレーうどんとなります。
私達は、このようにして、厳しい寒さをなんとかしのぎつつ送る日々ですが、季節は一歩一歩春に向かって進んでいるようです。
朝、カーテンを明けたとき、入り込む光にそんな気配を感じます。
バレンタインデーもまもなくです。
この行事のいわれは、いろいろありますが、小鳥たちが、春から一緒に巣作りをするパートナーを探し始めるのが、この頃だからという説。
いつだったか、そんなことを、どこかで読んだ記憶があるのですが。
一番冷え込むこの季節は、いっせいに花開く春に向けての準備に忙しい季節でもあるのですね。
CHKでも、春からの三年制ホメオパス養成コースの募集のための見学会を2月21日(土)22日(日)に予定しています。
今回の見学会が最終となりますので、ご参加定員を2倍にさせていただいています。
ホメオパスを目指してがんばってみようと思われる方は、是非いらしてください。
それでは、始めましょう。
セルフケアコース3「怪我のレメディ」その9
<カンタリス Cantharis.>(カンサリス)
原料は、スペインばえ。
生きた甲虫を丸ごと熱してアルコールに浸したものを濾過して作ります。
昔から、この虫は催淫作用があるといわれていました。
18世紀のフランスに生きた悪名高きサド侯爵は、これを使って多くの犠牲者を出しました。
この虫に刺されると、叫ぶくらいの焼けるような痛みが起こります。
皮膚には、水疱ができ、尿管にも影響がでます。
このレメディの特徴は、急速に悪化する激しい症状。
膀胱炎のレメディとして有名ですが、膀胱炎で使ったが、あまりかわらなかったという話をよく聞きます。
どうもそれは、膀胱炎といっても、症状に「激しさ」のないタイプであったようです。
このあたりが、ホメオパシーのむずかしいところなんです。
膀胱炎といっても、痛みの質、どのようなときに悪化するか?
その症状が起きるきっかけとなったような出来事や気持ちは?
そういったものによってそれぞれマッチするレメディが変わってくるのです。
カンタリスがマッチするのは、絶えず強い尿意をもよおすが、尿は少ししか出ない。
焼けるような、切られるような痛み。
生殖器周辺が炎症を起こすため、性欲が刺激されるが、SEXで悪化。
症状が、急激で、激しく、焼けるような痛みがあれば、やけど、虫さされ、胃腸炎、のどの炎症にも使えます。
のどは、渇きますが、水を飲むことで悪化します。
精神状態は、激しい肉体症状にさらされて、極限状態になっています。
ほんのちょっとしたことで、カーッとしたり、落ち着かず、不満を爆発させたり。
触れられたり、近づかれたりするのも嫌がります。
水が流れる音、流れる水を見ること、光っているものを見ることによって悪化します。
水の流れるのを見たり、その音を聞いたりすることによって悪化するってどういうことでしょうか?
狂犬病の犬の唾液を原料にしたリシナム(Lyssinum)というレメディがあるのですが、このレメディも、同じ症状を持っています。
日本では、もう狂犬病なんて馴染みのない病気ですが、海外では、まだ野良犬などの多いところではよくあるようです。
以前、海外で感染し、この病気に罹った人のことが報道されていました。
この病気になると、水がこわいので、のどが渇いても水を飲めないので、恐水病とも言われているそうです。
私は、このニュースをみたとき、リシナムのことを思い出し、びっくりしました。
このレメディを体質的に必要とする人も、とても激しく、暴力的なところのある人です。
状況的には、自分が依存している人や物事に苦しめられている人。
次回は、ヘパサルファについてご紹介しますね。
ハーネマンがプルービングしたレメディです。
カルクカルボ(牡蛎の殻の粉末)とサルファー(硫黄の粉末)を同じ容器に入れて、下から熱を加えました。
ハーネマンは、どのような意図でこのレメディを作ったのでしょうか?
当時、梅毒の治療に使われていた水銀の副作用を軽減するためによく使われたレメディだったようです。
では、また。
続きは、お楽しみにね!