レメディの使い方ABC
ルス・トクス Rhus-t.(ラストックス)
2008-12-16
こんにちは。CHK荻野千恵美です。
今年も、残すところあと半月となりました。
この春に、私達家族は、京都の伏見に住まいを移しました。
カレンダーを見ては、スケジュールと追いかけっこしているような日々でしたが、私達なりにこの町を楽しんでこれたと思っています。
初夏の、桃山御陵のすがすがしい緑。
暑い盛りに登った大文字山。京都の町を一望できるところに立ったとき、吹いてきた涼しい風。
一瞬、燃え立つように赤く染まる、真如堂のもみじ。
京都の町で、ホメオパシーとともに過ごせることが現実のものとなったことは、私にとっては、大きな喜びでした。
この1年、拙い文章でつづってきたこのコラムにお付き合い下さった皆様には、心よりお礼を申し上げます。
そして、新しく迎える年が、皆様にとって幸多きものとなりますようにと、お祈りいたします。
では、始めましょう。
セルフケアコース3「怪我のレメディ」その7
<ルス・トクス Rhus-t.>(ラストックス)
原料は、うるし科つたうるし。
北米、東海岸。特にカナダに分布する蔓性の低木です。
ねんざ、筋違えのレメディとして、Ruta.とともによく使われます。
一般名は、ポイズン・アイビー。毒のツタといった意味ですが、強い毒性を持つ植物です。
この植物の樹液に触れると、うるしかぶれの症状を起こします。
皆さんは、「うるしかぶれ」を経験されたことはありますか?
山に登ったときなど、偶然うるしの木に出会ってしまって、ミルク様の樹液がついたりすると、個人差はありますが、ひどい皮膚炎を起こしてしまいます。
ひどい痒み。チクチクする痛み。腫れ、こわばり。
このレメディは、こういった症状であれば、ねんざや筋違い以外でも幅広く使えます。
湿疹、関節炎、リューマチ、ヘルペス、水疱瘡など。
インフルエンザのときでも、高熱で、節々が痛むときなどには良いレメディとなります。
「かぶれる」という言葉を漢字で書くと、「気触れる」となります。
痒みというのは、痛みとはまた違う苦しさがありますが、こういった感じで表されるような内的な狂おしいようなイライラ感があります。
このような、精神症状もルストックスの大きな特徴です。
また、「うるしかぶれ」というのは、身体の表面にうるしの毒がつくことによって起きますが、ルス・トクスの人は、身体の表面の部分の循環がよくなり、毒が排泄されるような行為で好転します。
たとえば、運動をする。ストレッチをする。身体を暖める。暖かいお風呂に入る。暖かい飲食物をとる。
反対に、塗れたり、冷えたり、じっとしていることで悪化します。
また、湿っていたり、寒かったりという気候にも弱いようです。
朝起きるときは、こわばっているけれど、動いているうちに楽になる人。
スポーツマンにも多いです。
ルス・トクスは、カルク・カルボと相性の良いレメディです。
ですから、カルク・カルボ体質の人であれば、ぎっくり腰やねんざの時にこのレメディは、素晴らしいものとなるでしょう。
カルクカルボの人は、「自分は、カキの身のように弱い。」と思っている人です。
とても恐がり。
もし、このような人が、幼い子をかかえ、しかも暴力的な夫を持っていたらどうでしょう?
サンカランは、このような状態の人がルス・トクスを必要とするのだと言っています。
こんな人は、不安で落ち着かず、ひどくイライラして、心身ともにじっとしていられません。
不安のつのる夜に症状が悪化します。
ミルクは、人の心をホットさせてくれる飲み物ですが、ルス・トクスの人は、このようなものを欲しがります。
ミルク好きのレメディでもあります。
ルス・トクスのように、不安が強く夜に悪化するレメディといえば・・・
Acon.(アコナイト、とりかぶと) Ars.(アルセニカム、ヒ素) Merc.(マーキュリー、水銀)です。
これらは、人に危害を与え、不安な感情をわき上がらせる、猛毒物質を原料にするレメディです。不思議ですね。