レメディの使い方ABC
ヒペリクム(ハイペリカム)Hyper.
2008-09-08
こんにちは、CHK荻野千恵美です。
CHKホメオパス養成コースでは、4月の入学当初から、オルガノンの世界に浸り、日常あまり使わない部分の脳を酷使したり、マテリアメディカやレパートリーと格闘したりという場面もある授業をしてきました。
先月は、夏の盛りのもっとも厳しい季節。
補講ということもあり、リラックスムードでやっていける授業を、カリキュラムに組みました。
映画を使って、「ケースを受け取る。」という授業です。
ホメオパシーの勉強に映画を使うというのは、ある登場人物を、そのレメディの典型だと思い込んでしまうというような欠点があります。
しかし、よくできた映画は、登場人物が、一貫したテーマで、しっかりと描かれており、クライアントさんの物語をありのままに受け取り、症状の全体像をしっかりとつかむという、ホメオパシー・セッションのスキルを身につけていくトレーニングをするには、格好の材料となるのです。
生徒さんたちは、グループに分かれ、主人公について「癒されなければならないのは、どこか?」「この人の、特徴的なところは、どこか?」など、レメディ選択の決めてとなるようなところについて議論しました。
そして、主人公のマテリアメディカを作り、ルーブリックス(その人に特徴的な症状)を選んで、レメディへ。
ホメオパスの仕事を、疑似体験するような授業となりました。
また、顧問のミハエラ先生にも、講義に来ていただきました。
ご自分とホメオパシーや日本との出会い。
今のヨーロッパでのホメオパシー事情について。
現状の日本のホメオパシーの問題点について。
来秋、CHKで授業をしていただく、オーストリアの医師ホメオパス夫妻について。
あまりに流暢な先生の日本語に、圧倒された生徒さんもいたそうですが、飾らない先生の人柄にふれ、和やかで活発な質疑応答の時間も持つことができました。
さて、9月に入り、季節が刻々と秋に向かって移ろっていくのを感じるようになりました。京都は、これからが、一年でもっとも美しい姿を見せてくれる頃となります。
ホメオパス養成コースでは、毎月、少人数ですが、授業の見学会を受け付けています。深まりゆく秋の京都で、これからも熱い授業が展開されてきます。
ご興味のある方は、是非、京大会館まで、足をお運び下さい。
それでは、始めましょう。
セルフケアコース3「怪我のレメディ」その4
<ヒペリクム(ハイペリカム)Hyper.>
原料は、オトギリソウです。
アルニカやカレンジュラと同様、黄色い花を咲かせ、古くから傷ついた人を癒す薬草として親しまれてきた植物です。
キリスト教文化圏では、聖ヨハネの誕生日(6月24日)のころ、この花が咲いたので「聖ヨハネの草」セント・ジョーンズワートとも呼ばれました。
ヨーロッパでは、中世から万能薬としての評判も高く、傷だけでなく様々な症状に使われました。
とりわけ、抗精神作用は有名で、最近ではサプリメントの世界でも鬱的な症状を緩和するとされ、よく使われているようです。
この植物には、葉や花に小さな穴がたくさんあいています。
16世紀の錬金術師で医師だったパラケルススの「特徴表示説」によれば、神様は、人間に穴のあくような傷に、この薬草を使えと教えたということになりますね。
マテリアメディカの、ヒペリクムのページにも、PENETRAITINGと大文字で出てきます。
「Penetrate」を辞書で引いてみると、貫く、貫通する。とあります。
刺し傷、深く細い切り傷によいレメディです。
人間の体を貫いている器官といえば・・・、神経ですね。
神経のアルニカともいわれています。
神経がたくさん集まっている部分を痛めてしまったとき。
神経がたくさん集まっているところといえば、まずは頭ですね。
頭を、強く打ってしまった。または、そのようなことがあってからの不調。
階段から、ドンドンドンっと落ちて、尾てい骨を強く打ち付けたとき。
手足の指先にも、神経が集まっていますが、こういったところを深く傷つけてしまった。抜歯の後、神経に響くような痛みが残った。
このようなとき、助けになるレメディです。
怪我のレメディとして、アルニカ、カレンジュラ、ヒペリクムと3つご紹介しました。
どの植物も、黄色い花を咲かせます。
そして、古くから、薬草として人々に親しまれてきたものです。
次回もまた、怪我と関係が深いレメディをご紹介します。
では、また。