レメディの使い方ABC

カレンジュラ Calen.(カレンデュラ)

2008-08-17

こんにちは、CHK荻野千恵美です。
昨日、8月16日は、京都では、大文字の送り火。
夏の終わりの行事です。
私は、生まれて初めて、鴨川の西岸に立ち、大文字山の「大」の文字に火が点るのを見ました。
あたりが暗くなるにつれ、人が集まりだし、やがて「大」の文字のてっぺんに火が点ります。「大」の文字がくっきり見えるほどに火が勢いづくのには、けっこう時間がかかりました。
そして、火が点ると、「大」の文字は、山いっぱいに広がり、想像していたよりはるかに大きく見えました。
弘法大師のものとされる「大」の文字が、夜空の闇の中で勢いづいた炎を纏うと、なんとも穏やかで優しげな、慈愛に満ちた姿で火文字として浮かび上がってきました。
平安時代からとも、室町時代からともいわれる昔から、京都の人々がこの優しげな光に願いを込めてきたということに、なるほどと納得がいきました。
私も、思わず、願いを込めずにはいられませんでした。
一人でも多くの人が、クラシカルホメオパシーの恩恵に預かることができますように。
一人でも多くの人が、クラシカルホメオパシーを学ぶことの楽しさを味わうことができますように。
そして、私たちが、そのために力を尽くすことができますように。

それでは、始めましょう。

セルフケアコース3「怪我のレメディ」その3

<カレンジュラ Calen.>(カレンデュラ)

原料は、キンセンカ。
原産地は、ヨーロッパの地中海地方。
アルニカと同様キク科の植物で、オレンジや黄色い色の花を咲かせます。
庭先や、公園で植えられることが多く、切り花として店先で売られているのもよく見かけます。私たちの日常の中に溶け込んだ、なじみ深い花です。
このように日本でもポピュラーな存在となったのは、花期が長いからのようです。
どの月の初めにも咲いていると言うことで、この花の名前が、カレンダーの語源になったともいわれています。
ヨーロッパでは、有名なハーブの1つです。
カレンジュラの軟膏は、火傷からにきびまで、幅広い皮膚のトラブルに対する治療薬として親しまれてきたようです。
ホメオパシーでも、カレンジュラは、セルフケアの分野で、主に怪我をしたときなどに、アルニカと並んでとても便利なレメディの1つです。
打撲などで、痛むときはアルニカですが、切り傷や擦り傷など、皮膚が破れてしまったようなときは、カレンジュラがお勧めです。
“The New Synoptic One“(初歩的な薬効書)のカレンジュラのページにおもしろい一行があります。
Lack of power to overcome a trauma.
(外傷に打ち勝つ力が足りない。)
怪我をしても、人間には自然治癒力というものがあり、放っておいても本来は治っていくはずなのでしょう。
でも、怪我の方がその力を超えるレベルだったり、人間にその力が足りなかったりしたら、なかなかそのようにはいきません。
化膿してしまったり、傷口がいつまでたっても閉じなかったり、きれいに閉じてくれなかったり。
このレメディは、そういったことを防いでくれます。
外傷を治癒させなければならないのは、怪我のときだけとは限りません。
抜歯をしたときも、このレメディは、とても助けになります。
抜けた部分の歯茎の傷が、化膿せず、早くきれいに閉じるよう、バイタルフォースに働きかけてくれます。
手術などによるダメージに対しても、抜歯の時と同様。助けになってくれます。
私の母も、このレメディに助けてもらったことがあります。
胃に石ができてしまったとき。
口から胃カメラを入れ、中の様子を見ながら、石を少しずつ取り出すという治療でした。思ったより時間がかかり、石はきれいにとれたものの、治療が終わったときの母は、憔悴しきっていました。
処置のための器具が、なんども口から胃にかけた部分の粘膜に擦れて、たくさんの傷ができたのだと思います。
70代半ばを過ぎた母は、これからこのまま弱っていくのではないかと、不安になるような様子でした。
でも、その日カレンジュラを1粒飲ませて、翌朝病院にいって驚きました。
すがすがしい表情で、元気にベッドに座っていました。
とにかく、眠りが深くて、ベッドにたたき付けられたようになって、寝返りひとつ打たずにグッスリ眠ったそうです。なんだか、そのせいか、腰が痛い。それほど眠りが深かったようでした。
カレンジュラが、母のバイタルフォースに働きかけてくれたのかなあ・・・。
母の表情から、そんな印象を受けました。
次回もまた、怪我のレメディについてご紹介いたしますね。
では、お楽しみに。