今月の活動

2014年8月授業(1年生)

8月23日(土)

今月は、生徒さんたちのエネルギーによって、ほんとうにダイナミックな授業になりました。いつもとは、まったく違う進行になりました。
講師側も生徒さんたちが本当に知りたいということに沿って授業していくという新しい試みにチャレンジすることになりました。少々疲れを感じましたが心地よい疲労感でした。

設立以来、決まった時間に決まった講義をキチンとし続けて来ましたが、今回はそれが良い意味で崩れました。

今回は、生徒さん達が持ち込んだ身の周りの課題を検討する実践あり、ホメオパシーの基本原理を理解するための実習あり、オルガノン学習あり、レメディ学習あり
・・・と、結果的に講師は入れ替わり立ち替わり登場するなど、とても動的な授業になりました。

これからの全ての授業でも、これまで大切だと思い込んでいた「枠(カリキュラムや時間配分など)」にとらわれ過ぎないで、もっともっと柔軟に進めて行こうと思っています。

荻野講師

質疑応答から始めました。
ある生徒さんが、車のドアで指先を挟んだ(骨折もしていた)時の対処法への質問でした。

激しい急性症状でのレメディの選び方・使い方や、怪我の際の候補レメディ~Arn.とHyper.~の違いについて、などお伝えしました。
また、骨折の際での、レメディキットでのファーストエイドレメディとその後に候補になる特有のレメディについても、ガイドラインをお伝えしました。

次に今月のフィロソフィーである「SRP(際立った症状)について」の講義をしました。
ホメオパシー学習者にとってSRPは、人をみてゆく上でごく基本的なものですが、これがどう大切なものなのか?グループで考えてもらいました。
みなさんの考えがまとまったところで、次に古典的なケースを材料にして、SRPとはどの症状なのか?それは、その人の病全体とどう関係しているのか?を考えて行きました。

みなさん、自分で考えるのが楽しかったようです。1年生全体の特徴は、授業に対して受け身の方がほとんどいないということです。

8月24日(日)荻野千恵美講師、野村講師

今月のオルガノン学習は§6です。
ここでは、ハーネマンが、「病んだ人を先入観なしにちゃんと観察しなさい。観察したら必ず病全体の状態が分かるはず。」と述べている大切な単元です。
ごく当たり前のことですが、当時、こういう姿勢の療法家は、あまりおられなかったようです。
このテーマは、とても大切なところですので、卒業時まで繰り返して触れるテーマの一つです。

今月のレメディ学習の1つ目はLach.です。
Lach.は、動物(蛇)由来のレメディで、激しさがありますがとてもチャーミングな方にマッチすることが多いものです。いつものようにイメージワークをしましたが、このレメディ特有の「二面性」「速すぎる頭の回転の良さ」「警戒感・緊張感」などが出て来ました。質感がしっかりと理解出来ているのを感じました。

次に生徒さんからの2つ目の質問について、皆で考えて行きました。
ご家族の健康に関するご相談です。
その家族の方の個別化をする(全体像をとらえる)ところから始めました。講師が質問する間がないほど、同期の皆さんがドンドン質問を発していて、次第に全体像が見えて来ました。生徒さんたち自らの積極的な姿勢に驚きました。人間関係が出来ているからなのでしょうか、よく勉強されているからなのでしょうか、スイスイと進んで行きました。

ホメオパシーでは「全体像」をとらえることが出来たら、その仕事の80%は達成していることになります。最終的には、SRP(際立った症状)などを元に、あるレメディの提案までこぎつけました。とても実践的な勉強になったと思います。

今月のレメディ学習の2つ目はStaph.です。
このレメディは、一見とても温厚に見えますが、内的には強すぎるほどのプライドの高さがあり、古武士のような既然とした方にマッチするレメディです。あまりの高貴さゆえに「憤り」を持ちやすい傾向があり、インド建国の父ガンジーに適するものであるという通説があります。

最後に、レメディ学習のまとめとして、レパートリーで、今日学んだ2つのレメディの特徴的なRubrics(症状)を確認して、今月の授業を終了しました。

2日間を通じて、講師としてもとても楽しい時間になりました。
ますます自由になれたような気がしています。 

では、みなさん、ごきげんよう!

オルガノン要約(抜粋)
§6 先入観にとらわれない観察者が唯一知覚すべきものは、外部に表現された病の徴候・現象・症状の全体(本来の健康状態からいかに逸脱しているか)である。療法家は、生命エネルギーの病的な作用(逸脱部分)全体を「観察」する必要がある。(外部に表現された症状以外に見るものはない)