今月の活動
2014年4月授業(1年生)
4月26日(土)荻野講師
いよいよ、新入生7期生の授業が始まりました。
最初の授業ですから、お互いに緊張したはずですが、講師としてはとても話しやすかったので、授業の時間が経つのが早く感じられました。
7期生全員の自己紹介と講師の自己紹介の後、オリエンテーションから始めました。
講師側からまず最初にお願いした事は、各人が、授業参加型で臨んで頂きたいということです。
クラシカルホメオパシー京都の基本姿勢は、授業の主役は生徒さん自身であり、講師はサポート役に徹して進めています~例えば登山で言うなら、皆さんは登山家で講師はガイドのようなもの~と伝えましたが、それは当たり前というリアクションを感じました。
今回の参加メンバーからは、受け身で受講される感じがなく、頼もしい限りです。例年以上に意欲的で自立的な方が集まって来られたように感じました。
初回授業は、内容的に盛りだくさんだったので、時間内に終わるか心配でしたが、スイスイと進めることができました。
前半は、ホメオパシーの学び方、ホメオパシーとは何か?、ホメオパスは何をする人?
これらを具体的に理解して頂くために、急性と慢性のケース二つを題材にして考えてもらいました。
最初から、マテリアメディカやレパートリーを使いながら、これらの基本教材の役割についても体感して頂きました。
実際にこれらを使ってみることで、ホメオパシーが科学的なものであることを理解して頂けたと思います。
授業前半の最後は今日学んだ単元(ホメオパスの役割と目指すところ)について、ハーネマンが著した『オルガノン』§1~3を精読して、まとめとしました。今後も『オルガノン』に沿って進めて行きます。
後半は、「健康・病気・症状」について、みなで考えて行きました。
ホメオパシーの専門家は、確かな健康観を持つことを求められます。
ハーネマンは、この健康観を明確に持っていた稀有な療法家でした。彼は、オルガノン§9において、「Dynamis(動的)」と「Harmonious(調和)」という2つの言葉で健康について的確に表現しています。この2つの言葉は、オルガノンでの健康観を現すキーワードでもあります。
彼が目ざしたものは、不快に感じる症状を抑え込むことではなく、人を全体として「動的且つ調和のとれた状態=健康な状態」に変化させて行くことでした。
みなさんからは・・・
シュタイナーの学校では、子供には美しいものを見せないといけない。
調和しているものは美しいものだから。
また、茶道も調和がとても大切で、茶室の空気や温度なども茶の道では
とても重視されることを思いだしました。
着物は調和が取れてないと着られない。
洋服はバランスが良ければとりあえず着られるが・・。
など等、色々ユニークな意見が出て、新たな気付きを得ながら学べたと思います。
このことを皆さんが、今後どのように発展させて行かれるのか、とても楽しみです。最後はこの単元のまとめとして、オルガノンの§21までの要約を皆で読んで行きました。
オルガノン要約(一部)
§1 療法家の唯一の使命は病める人の健康を回復することだけである。これを治療という。
(注)確かでもない理論医学を述べるのは止め人々を助けるために行動に出る時である。
§2 理想的な治療とは、明確な根拠に則り、短期間で無害で速やかで穏やかで持続的で、全体的な回復のこと。
§3 療法家は次のことを明確に認識・知覚・洞察していなければならない。これが出来る人=真の療法家と呼ぶ。
A)病の認識と兆候の読み取り=個々の症例で何が療されるべきか?について
B)レメディの治癒力に関する知識=個々のレメディの治癒力について知る
C)レメディの選択と適用とその正しい投与法=投与量と反復方法について知る
D)治癒を妨げているものは何か。それらをどうすれば取り除けるのか。
§9 健康な状態においては、目には見えない生命エネルギーが物質的身体を完全で調和的に管理・統治・維持している。健康な人においては、その生命エネルギーによって、人生におけるより高邁(高次元)な目的のために健康な身体を道具として自由に使用することが可能となる。
4月27日(日)荻野千恵美講師
講師が惹かれ続けてきたホメオパシーとは、自然と人間との不思議な関わり~同時に素敵なロマンチックな世界でもあります~を対象にしたものであること。皆さんも次第にこの世界の魅力に惹かれてゆくかも知れないとお伝えしました。
ホメオパシーを学んで行くうちに、何人かの生徒さんは、なぜ人は病になった時、虫(動物)や花(植物)や水晶(鉱物)など自然界のものと似た表現をするのだろうか?という疑問を持つようようになります。それがなぜかはわからないけれど、病んだ人からは人間のものとは違う、まるで自然界の歌(Other Song)とでも言えるものが聞こえて来るかのように感じます。
これは、インドの世界的ホメオパス/サンカランの表現ですが、私はこの言い方がとても好きです。
ホメオパシーとは、言わば病の中から自然界からのメッセージを受け取るようなもの。
だから、講師の私たちも長く関わり続けても、少しも飽きることがありません。
今日の授業は、まずは、ホメオパシーの基本ツール~マテリアメディカとレパートリー~のイロハから手ほどきをさせて頂きました。
そしてレメディ学習は、レメディの原物質(自然界)の映像を観てみるところから始めました。
Sulph.(硫黄)、Calc.(牡蠣の殻)、Puls.(セイヨウオキナグサ)の3つです。
それぞれの原物質の自然界でのあり方を映像や動画で観てもらった上で、みなさんの内面から立ち上がって来ること(感覚や言葉)を述べてもらいました。
そのイメージワードをまとめて行くと、そのままマテリアメディカのような情報になって行きます。
この経験を踏まえた上で、改めてマテリアメディカを文字として学ぶと、レメディの持つ質感をもとらえることができるようになります。
これからも言葉の暗記だけで理解するのではなく、個々のレメディの質感を体感しながら学ぶことを大切にして行って欲しいと思います。