今月の活動

2014年4月授業(3年生)

4月5日(土)荻野千恵美講師

5期生は、いよいよ最終学年に入りました。皆さん気合いの入った良い表情に見えます。

今月のオルガノン学習は§100~104の単元です。

ここは、急性症状(流行病)といえども、病名で短絡的にレメディを決めてはならないこと。そして、なによりも慢性病についてはハーネマン自身が12年間の時間を費やして病の真の原因=マヤズムを見いだしたことについて、述べているところです。
このマヤズム(慢性病の真の原因)を癒すためには、急性病とは比較にならないほど症状像を詳しく慎重にとらえないと良いレメディは見つけられないと結論づけているところです。

レメディ学習は、Pyrog. Nit-ac. Aeth.の3つです。

Nit-ac.やAeth.はこれまでの体質的なレメディとして学んで来ましたが、今回は3年生ということで、Pyrog.というユニークなレメディも取り上げてみました。これは、主に急性的な(膿んだ)時にも選ばれるものです。

Nit-ac.は硝酸から作られるもので「自己不満足感」が中心にある方にマッチします。人が何かに不満を感じる根っこには、自己不満足感があることを教えてくれるレメディです。
酸のレメディの特徴は、疲れている・衰弱しているという共通テーマがありますので、いつかまた改めて酸のレメディをまとめて学習する予定です。

レメディ学習の合間に、生徒さんが経験しつつあるケース実習について同期の皆さんにシェアしてもらいました。他のメンバーもケース実習を始めかけているので、とても良い刺激になったと思います。

オルガノン要約(抜粋)§100~104

§100 流行病や散発的な病気の患者に対してでも、決して病名で判断せず、「現時点での」純粋な全ての症状のみから探求すること。憶測ではなく五感で捉えたことだけから探求しなければならない。誤って病名を付けられることがあるからである。

§102 流行病のレメディは数人以上の患者の症状の総体から導かれる。
流行病の原因は同一の発生源を持っている。そのレメディを見つけ出すこと。そして、症状の全体像を元にもっと適したレメディがないか常に探求し、処方しなければならない。
§103 流行病に対してと同様の方法ではあるが、極めて多くの人の症状をいっそう厳密に調査することで、マヤズムによる慢性病に対しても正しいレメディにたどり着けることができた。症状の全体像を厳密に見ることでしか、抗プソラのレメディや個々の患者の真のレメディを見つけることはできない。

4月6日(日)野村講師

午前中は、最近、講師自身が感銘を受けたマヤズムのお話をしました。

昔、メキシコ出身の著名なホメオパス~オルテガ~が、世界で初めて「プソラマヤズムとは不足(Lack)のエネルギーを表現している」と持論を述べました。そのことが、いかに素晴らしいことか、について、皆さんにシェアしました。
そして、創始者ハーネマンが最終的にたどり着いた点もこれと同じだったということです。2人とも、病の素因はプソラ(充分に対処する力がない=不足状態)であると述べていることに気付きました。

お昼前に生徒さんからの事例研究発表があり、前半の講義を終えました。

午後からは、「2回目の処方」についての講義です。
過去の講義とは順番を変えて話を進めました。今回初めての試みでしたが、生徒さんには、この順序の方が理解しやすいようです。

この2回目の処方が正確に出来るかどうかが、プロフェッショナルホメオパスになれるかどうかの分かれ目になるとても重要な内容です。

この単元を学ぶのは、少し早いかも知れないと思いましたが、5期生のみなさんはケース実習をかなり早くから始めていますので、このタイミングで、ちょうど良かったと思います。
今後もこの2回目の処方については、何度か繰り返して学ぶことになります。

オルガノン要約(抜粋)§162~184

§162 マテリアメディカが不完全なレメディを使用しなければならないこともある。

§163 しかし不完全にしか適合させることができないレメディでは完全な治癒を期待できない。

§164 最適なレメディ(特徴的なものがマッチしている時)によるホメオパシー的症状は、治癒作用に害を及ぼさない。

§165 SRPの合っていないもの、つまり一般的な症状に対して処方したレメディが良い結果を出すと期待してはならない。

§167 不完全にマッチするレメディを処方してしまった時、それが急性病の場合は作用を完遂させてはならない。また、レメディが作用している内は患者を放っておいてはならない。変化した状態を調べ、残った本来の症状と新たに発生した症状を結びつけた新しい症状像を見なければならない。

§168 その症状像に類似したレメディが見つかれば、かなりの治癒が図れるだろう。
そしてそれを繰り返すことで健康に近づいて行く。

§169 レメディの候補が二つある場合、優れた方を投与した後は、もう一つのレメディを無批判に投与してはならない。新たな症状像に対してレメディを選び直すこと。
(注)この二つのレメディを同時に投与してはならないのは言うまでもない。

§170 上記の二番目のレメディのことは一旦忘れ、新たに症状を取り直すこと。

§178 症状が少なくても、SRP的な症状が含まれていた時にはレメディは治癒的に働くことだろう。

§180 不完全な(SRPの適合がない)レメディを用いれば、レメディが持つ特有の付随的な症状を生み出すだろう。しかしその症状は病そのものから発した症状である。

§181 そうして現れた付随的な症状は、レメディによって引き起こされたものだが、実はその人の病そのものから現れたものでもある。つまりその症状の総体が現在の真の病的状態であり、それを治療しなければならない。

§182 現れてる症状が少ないために最初のレメディは不完全にならざるを得ないとしても、その都度適切なレメディを選んで行くことが、病気の内容を完全にすることに役立つ。

§183 最初のレメディがもはやそれ以上働かなくなったら、現状の病状を記録し、それに基づいて次のレメディを見つければよい。そのレメディは今の状態にまさに適したものであり、症状の数も増え、症状像としてより完全になっているはずであるから。

§184 これを回復するまで続けること。