今月の活動

2013年9月授業(3年生)

9月14日(土)荻野千恵美講師

授業に入る前に、生徒さんによるレメディ解説がありました。
カルク・カルボ(牡蠣の殻から作られた著名なレメディ)について、原材料になる牡蠣の生態からレメディを見直してみて、改めて発見されたことをシェアしてもらいました。

授業は、いつものようにオルガノン学習からです。
今月は§157~161で、ホメオパシー的一時悪化の単元です。

オルガノンはホメオパシーの創始者によって書かれたとても古い本ですから、理解しにくい点があり、そういう背景を補足説明しながら、進めました。

オルガノンという本は、素晴らしいものですが、著者のハーネマンは、5回書き直しています。ですから、初版時の文章と第6版の原稿を記した時の文章が重なっているところがあり、どうしてもそのあたりが分かりにくくなります。

それにしても、生涯にわたり、ここまで徹底して最高地点を求め続けて書かれた書物が他にあるでしょうか?
ハーネマンは、この本の第6版の原稿を書いた翌年に88歳でこの世を去っています。
彼は自分のすべての思いをこの本に込めたことでしょう。

世界のホメオパシーの専門家たちは、今もなお200年近く前に記されたこの本を、自分が考える原点に位置付けています。

もし、古いくさいのでは?と感じる方がおられたら、是非、ご自分で読んでみてください。古さどころか、その先進性に驚かれるでしょう。

今月の学習レメディは、Ant-t. Spong. Nat-s.の3つです。

いずれも呼吸器(ぜんそくなど)に関係の深いレメディです。

今回は、各レメディの身体面から入ってやがて全体像を学んで行くという新しいアプローチをしました。心身全体にわたる非常に良いイメージが立ち上がり、レメディ像がよりハッキリと理解出来たと思いました。(写真はSpong.)

オルガノン要約(抜粋)

§157 投与量が正しければすみやかに病を根絶できる。
いくぶん多すぎれば悪化が起こる。これはレメディによる乱れ(プルービング)である。

§158 レメディによる一時的悪化は非常に良い徴候である。なぜならレメディは治癒すべき病よりも少しだけ強くあるべきだから。

9月15日(日)野村講師

3年生は、卒業までに、あと半年になりました。

3年間の学びの総仕上げの時期に入っているので、個々人にどう自宅学習をしているか?これからどこに力点を置いて学んで行こうとしているのか?について、確認しながら具体的にアドバイスして行きました。

その後、ケース学習に入りました。

まずは、午前中一杯の時間をかけてケースへの基本的な取り組み方について復習しました。

まずは「何が癒されるべきか」(問題点)をとらえることが、入口になります。
ここがハッキリしないままケースに取り組んでも、見当違いのレメディの提案(解決法)しかできません。

その際に必要な、ホメオパスの基本姿勢とケースを正確にかつ深く理解するための具体的な方法について再確認してゆきました。

その基本的な理解はこれまでも繰り返しているので、今回でよく理解出来たと思います。

午後からは、講師が経験したケースをシェアして、ともに、その人に必要なたった1つのレメディについて考えてゆきました。
ハーネマンが、オルガノンで述べているように、今のその人に必要なレメディは、ただ1種類です。

事実、このケースでは、1種類のレメディの提案以降、大きな病の後遺症がドンドン軽快して行きました。もちろん症状だけではなく、精神面も含めた全体が、健康な方向に向かって変化して行きました。

選んだレメディは、通常は、その病とは関係がないように見えるものです。でも誰でも知っているようなとても基本的なレメディでした。

授業後1時間ほど生徒さんと講師の間で意見交換会をしました。

生徒さん達から以前から質問をされていて、お答えしていなかったことについて、ご返事するという形で進めました。

今後も皆で力を合わせて、ホメオパシーを育てて、お互い成長して行こうということで、さらに思いは1つになったと思います。
卒業まで、もう残り少なくなりました。これからも適宜、こういう時間を設けて行きたいと考えています。