今月の活動

2013年7月授業(1年生)

7月27日(土)荻野哲也講師

4月からのホメオパシー哲学の授業のまとめから入りました。
ホメオパシーでは、プルービングを土台にした実証を大切にしているものであり、「個人化」(その人らしさ)と「症状の全体像」(内部の乱れの表現されたもの)が特に重要であることを確認しました。

それを踏まえた上で、SRPと感受性(罹病性)について学びました。いずれもホメオパシーを理解する上で最も重要な概念です。

SRPは、その人に現れる特にその人個有の症状のことです。Strange、Rare、Peculiarな症状のことです。それが、その人独特の病の表現であり、シングルレメディを特定するための重要な手掛かりになるものです。

感受性(罹病性)については、周りに細菌やウイルスが一杯いても罹病する人としない人がいるのは何故?・・・という問題を考えるところから、本題に入りました。
ホメオパシーの目的は罹病性を下げて行くことです。そのことについて、ハーネマンはオルガノンで、臨床情報や過去の文献をひも解きながら、同時に他の療法と比較しながら懇切丁寧に説いています。

こんなに明快に、理路整然と「人間と病との関連と治癒の起き方」を記しているものは見たことがありません。生徒さん達も感銘を受けていたように感じました。

オルガノンの該当セクションを確認して、この単元の学習を終えました。

7月28日(日)荻野千恵美講師

いつものように、オルガノンの精読から始めました。今回は、§23~29で、主に類似療法について記したところです。ハーネマンは、オルガノンの前半で、当時の臨床情報や文献から、類似療法の有効性を説いています。また事実を元に他の療法と比較しながら、極めて論理的に実証的に、各療法では、何が起きているのかを解説しています。
文章は読みづらいところがありますが、誰が読んでも納得のいく内容です。

今月のレメディは、Acon.Ars.Nux-v.の3つを学びました。いずれもSulph.と関係の深いレメディです。Acon.とNux-v.は、植物由来のレメディですので、生息状態の映像など見てもらい、エネルギーを充分に感じてもらいました。
特にAcon.の学習では、生徒さんから、マテリアメディカを越えるような視点が出て来て、講師としても新しい発見がありました。これはセルフケアでは有名なレメディですが、そのイメージ像とは違うものを体感してもらえたと思います。(画像はAcon.)

オルガノン要約(抜粋)

§23 長引いている病では、反対の症状を生み出すか緩和するだけの薬では、真の治癒を達成できず、より悪化して再発する。

§24 ホメオパシーのレメディは病の総体・全体像に類似した症状を起こすことができる。多くの中からそういう一つのレメディが求められる。

§25 レメディはほとんど全ての症状を生み出すことができる。癒すべき病の総体に類似し適切にポーテンタイズされ微量投与であれば、例外なく完治させることができる。

§26 生きている身体において二つのエネルギーが動的に作用する場合、弱い方の作用は強い方の作用によって消される。ただし強いほうの作用は、作用が現れた状態において、弱い方の作用に類似していなければならない。

§27 レメディが完全な治癒をもたらすためには、きわめて完全に類似した仕方で症状の総体を人間の健康状態におのずから生み出せる力を持ち、同時にその力は病気よりも勝っていなければならない。(自然法則)

§28 §26の基本法則は事実であるから、そのメカニズムを科学的に説明するのは重要ではない。以下の見解(§29~34)は経験上事実として認められる。

§29 自然の病はレメディよりも少し弱く働くので、レメディによって根源的生命から消失してしまう。解放された根源的生命は、生命の健康状態を保つことができる。
(注)レメディのエネルギーは自然の病気よりもはるかに強いが、作用する期間が短いため、VFによって容易に排除される。但し、慢性マヤズムの作用は、より効果的なレメディを使わない限りVF単独の力では対応できず、生涯続く。