今月の活動

2013年7月授業(3年生)

7月13日には、四条教室の周りは祇園祭の鉾が建ち始めました。
教室の目の前にも『綾傘鉾』という鉾の準備が始まりました。
14日には、朝から露店の設営が始まり、生徒の皆さんが帰宅する頃には、立ち並ぶ露店の狭間をゆったり歩く沢山の人達で道はあふれていました。
そして、この週末の2日間は、急な雷雨に驚かされました。
そんな賑々しい中での2日間の授業でしたが、生徒さん達の確かな成長を感じることが出来、手ごたえを感じた2日間になりました。

7月13日(土)荻野講師

6月授業の続きです。「初回レメディの査定と2回目の処方」の後半です。

講師が、かつて経験したケースをシェアしながら、最適なレメディに至るまで、どのように取り組み考えて行けば良いのかを、皆で一緒になって進めて行きました。

ホメオパスは、いつもクライアントに最適レメディを提案したいと努力していますが、最初から最適レメディ(シミリマム)に至らないこともあります。
でも類似性が高いレメディ(シミラー)が提案出来ていれば、必ず、クライアントには変化が起こり、より明確な症状像を表現してくれます。そのことにクライアントはハッキリ気付いていないこともあります。

ホメオパスはクライアントと共に旅する人と言えます。その旅の目的地は、大抵はクライアントの内面に秘められています。それに向かって共に歩み近づいて行くことが、ホメオパスの役割です。

ホメオパスの一番の喜びはこの歩みそのものにあると思います。クライアントは、病んだ状態においては、何かにとらわれ閉じ込められていますが、類似したレメディに出会うことで自ら気付き、解放され自由になって行きます。

「治癒とは気付きである」とホメオパシーでは考えます。

このクライアントの気付きを共に経験すること。これははさほど難しいことではありません。クラシカルホメオパシーの基本を学べば、誰にでもできることです。

このことを理解してもらいたい。そう思い授業を進めました。
皆さんの楽しそうな表情から、このことは受けとめてもらえたのではないかと感じました。
今回の授業を通じて、レパートライズ(症状の検索からレメディを探す方法)は楽しいものだと分かったという生徒さんもいました。

過去2年間以上学んできたことが、本当は楽しいものだということが、これからもっと増えて行くと思います。

オルガノン要約(抜粋)

§180 不完全な(SRPの適合がない)レメディを用いれば、レメディが持つ特有の付随的な症状を生み出すだろう。しかしその症状は病そのものから発した症状である。

§181 そうして現れた付随的な症状は、レメディによって引き起こされたものだが、実はその人の病そのものから現れたものでもある。つまりその症状の総体が現在の真の病的状態であり、それを治癒しなければならない。

§183 最初のレメディがもはやそれ以上働かなくなったら、現状を記録し、それに基づいて次のレメディを見つければよい。
そのレメディは今の状態にまさに適したものであり、症状の数も増え、症状像としてより完全になっているはずであるから。

§184 これを回復するまで続けること。

7月14日(日)野村講師

今月のオルガノン学習は§149~156です。

主に「SRP」の意義についての単元です。そして、レメディと自然の症状像がぴったり合うことはないが、全体像が類似していれば、必ず治癒に向かって進んで行くという内容です。前日土曜日の授業とも深くかかわる単元です。
精読してみて、生徒さん達皆さん本当によく理解されていることがわかりました。

レメディ学習はGlon. Dig. (Cact.) Coff.の3つ(4つ)です。
いずれも心臓と関係のあるレメディ達です。(画像はDig.)
 
来月の講義~解剖生理講義~と関連させた授業を試みました。

ホメオパシーは、局所の臓器だけに注目することはありません。心臓だけに良いレメディもありませんし、腎臓だけに良いレメディもありません。あくまでも全体的な見方捉え方をして行きます。

臓器や器官の不調は、車のような機械の部品故障とは違うものです。仮に部分的に修理出来たとしても自動的に健康になるわけではないと考えます。ホメオパシーでは、不調が起きている問題の核心は、その人の生命力が乱れていると捉えているからです。
でも、レメディごとにある臓器や器官に親和性が高いものがあることも事実です。
それは、レメディ選択の決め手にはなりませんが、大いに参考になります。

全体的な乱れと臓器の問題がどのように関連しているのか?
そういう観点から、レメディ学習を進めてみました。

また、レパートリー(症状別のレメディ検索辞書)には、各臓器に関わる名称や独特の症状も載っています。それらに親しんでもらいました。

オルガノン要約(抜粋)

§149 医原病は、非常に大きな悪影響を与える。
  A)薬物によるもの。激しく作用する薬物を長期に使用した時。
  B)鉱泉によるもの。不適切な鉱泉に行った時。

§151 病の全体像は重い症状だけでなく、軽い症状を含むこともある。

§153 SRP
SRP:奇妙な、特有の、異常な、まれな、特徴的症状
SRPだけに目を向けても良い。
ありふれた症状は注目には値しない。特徴的な症状に注目すること!

§154 SRPが多く合致するなら、それは最適なレメディといえる。

§155 正しいレメディは重い症状を起こさない。なぜならレメディに類似した病のみに働きかけるからである。レメディは病的ではない部位に働きかけることはできない。

§156 しかし最適なレメディでも気づかない程度の軽い症状は現れている。なぜなら病気とレメディが完全に一致することはありえないから。それでも回復する。