今月の活動
2013年7月授業(2年生)
7月6日(土)荻野千恵美講師
オルガノン学習から始めました。今回は、§60~62です。
この単元は、逆療法(アンティパシー)と類似療法(ホメオパシー)について、実例をあげながら比較検討しているところです。ハーネマンは、アンティパシーを全面的に否定していませんが、使い続けると様々な不調が起きて来ると述べています。
今月のレメディ学習は、Cic. Con. Hep.の3つです。
Cic.Con.はいずれも植物(セリ科)レメディです。
セリ科のレメディが適する人には、特徴的な感覚が見られます。
超敏感なゆえに、周辺で起きることに対して突然の予期せぬ暴力や攻撃を受けていると感じやすい。表面的には冷静に見えたりするかも知れませんが、内面では大きな動揺と危機感をもっています。
Hep.は、ハーネマンが考案した鉱物レメディ(化合物)です。原材料的には、硫酸カルシウムですから、Calc-s.という別のレメディに似ていますが、Hep.はそれよりも心身ともに過敏で脆弱で化膿しやすい体質の方にマッチします。
オルガノン要約(抜粋)
§60 アンティパシーでは、その効果がすぐに切れるため緩和剤を次第に強くしていかなければならない。結果、より重い他の病が発生する。もしくは治癒不可能な状態や生命に危険な状態が生じ、決して治癒しない。
§61 このようなアンティパシー的な療法の悲惨な結果を反省すれば、これらとまったく反対の療法(類似と微量:ホメオパシー)こそが真なる持続的な療法であることがわかったはずである。しかしこれまで誰も気づくことはなかった。
7月7日(日)野村講師
ケーステーキング学習をしました。
まずは、以前簡単なケーステイキングの演習をした際、難しいと感じた点を生徒さん全員からあげてもらいました。
その結果・・・
1.ケーステイキングを進めているうちに自分の立ち位置が分からなくなること。
2.クライアントの訴える症状をレパ ートリーの言葉に変換できないこと。
・・・が共通した問題として出て来ました。
そこで、講師からは「CLAMS」の視点を持つことを提案しました。この手法は、クラシカルホメオパシーの世界では、極々基本的な見方考え方ですが、とても有効なものです。
後半は、この「CLAMS」の視点でケーステイキングを進める演習をしました。
3人1組で演習をしました。この演習を通じて、皆さん一様に「人は皆違う」ことを感じてもらえたようです。ホメオパスも、人として個性的である方が良いと思いますが、人の見方や捉え方には、外してはならない基本があります。今月はそれを理解してもらいました。
講師側としても、この「CLAMS」の見方考え方でケーステイキングをすることで、大切な症状を正確に深めることが出来ることを改めて確認できました。
オルガノン要約(抜粋)§83~99
(セッションにおける基本態度)
§83 症例を”個別化”したものとして捉えるためには・・・
A)偏見を持たないこと。
B)健全な分別を持つこと。
C)症状像を注意深く観察すること。
D)忠実に記録すること。
§84 セッションでの心構え:
A)感覚器官を総動員して、
B)クライアントに起こった変化と異常を
C)クライアントと同じ表現で、
D)全てを、
E)正確に記録する。
F)自分は黙ったままで、クライアントと家族に話をさせる。
G)話をさえぎってはならない。
§86 クライアントが話したいこと(症状)を全て話したらそれを質問で具体化していく。(例)「いつからその症状が始まりましたか?」「どんな痛みですか?」
§87 「はい」「いいえ」で答えるような質問はしてはいけない。半分しか本当でないときもどちらかにしなければならないから。即答できるような質問も良くない。クライアントが誤ることもあるから。
(注)「~ではないですか?」という質問は誘導的になるのでしてはならない。
§88 症状の全体像を得るために、足りないところは一般に使われている言葉で質問しなければならない。
§89 唯一信頼が置けるのはクライアントの言葉のみである。クライアントの話すことに全幅の信頼を置くこと。
(注)個々の症状について詳しく聞いていく例。(非常に具体的で有用なガイド)
§90 ノートには療法家が気づいたことも記入する。それが以前の状態から変化したものなのかを確認すること。
§93 病がある注目すべき出来事によって引き起こされたのであれば、本人や家族から慎重に聞き出すことができるだろう。