今月の活動
2013年6月授業(3年生)
6月15日(土)荻野千恵美講師
今月のオルガノンは§146-148です。レメディの適用の仕方について記してあるところです。
レメディ学習は、Cic. Alum. Mag-c.の3つです。
Cic.はセリ科の植物です。これまでも同じ種類の植物(セリ科)のレメディを勉強済みですので、Cic.のレメディの全体像だけではなく、セリ科の共通点についてもまとめてみました。
植物レメディの勉強は、個々の勉強だけではなく、その同じ種類全体のテーマと合わせて学ぶことで、レメディへの理解が深まります。
Alum. Mag-c.は、いずれも鉱物レメディで、周期律表では第3シリーズに属しています。このシリーズにある元素(AlやMg)は、アイデンティティの問題と深く関係しています。「Al」は、アイデンティティの混乱しているレベルです。大抵は厳しい親に支配されるように育てられていて、本当の自分を見失いがちな方に適しています。
また「Mg」は、アイデンティティの確立のためには、サポートを必要としているレベルです。自分をサポート(保護)してくれるはずの親から、充分な保護を受けていないという感覚を持って生きている方に適したレメディです。別名「みなし児」のレメディと呼ばれます。
鉱物レメディは、その鉱物を構成している元素の特徴を周期律表から眺めてみることで、レメディの理解が深まります。
誰でも「周期律表」について一度は学んだはずですが、その意味がよく分からず、興味を持てずじまいだった方も多いことでしょう。でもホメオパシー的な視点で改めて周期律を学ぶと、急に興味がわいてきます。
ホメオパシーは、自然界の仕組みと密接な関係があることがうかがえると思います。
オルガノン要約(抜粋)
§146 真の療法家の「第三の仕事」は正しいレメディを自然の病にホメオパシー的に適用することである。
(注/第一:治癒のために必要なことを探求すること。第二:レメディーのエネルギーを探求すること)
§148
・病とは物質的なものではなく”精神的とも言えるエネルギー体”が”目には見えない生命原理”を支配し撹乱したものである。
・レメディのエネルギーはその病のエネルギーより勝っていること。
・適切なレメディを選べば、急性の病は短時間で消失することも多い。
・より慢性の病には同じレメディでポーテンシーを上げたり、数回投与したり、より類似したレメディを選ぶことで消滅する。そして健康を取り戻す。
(注)
・常に変化する病的状態に対して、最適なレメディを見つけるのはとても厄介な作業である。厄介故に、手抜きや不注意な方法に陥りがちであり、うまくいかないと自ら努力をしないで、ホメオパシーの不完全さのせいにしたがる。
6月16日(日)荻野講師
今月は、「レメディの査定と2回目の処方」について学びました。
従来、ホメオパシーの世界では、この単元はとても難しいものと言われて来ました。でも、ある程度、頭の整理が出来ていればさほど難解でもありません。
そのことを、生徒さんに考えてもらいながら進めました。
頭の整理整頓のために、ケント哲学講義の35章と36章をまとめ、そしてオルガノンの該当箇所も通読しました。
それらを踏まえて、ケース学習に入りました。具体的なケースを通じて、2回目の処方について学ぶことがとても大切だからです。来月は、今回の続き(後半)を学ぶ予定です。
最後は、少し気分を変えてコンピュータレパートリーの練習をして、授業を終えました。
新教室のせいか、2日間とも、とてもリラックスして授業が出来たように思いました。
オルガノン要約(抜粋)
§172 症状の数が少なすぎると処方は困難である。この時は細心の注意を払え。これを克服することで、この療法での困難を解決出来るから。
§173 一、二種類の症状が際立っているだけの病(多くは慢性病)を治癒するのはさらに困難である。これらは一面的な病である。
§175 内的な症状が一面的にしか見えないのは療法家の不注意であることが多い。
§178 症状が少なくてもSRP的な症状が含まれていた時にはレメディは治癒的に働くことだろう。
§180 不完全な(SRPの適合がない)レメディを用いれば、レメディが持つ特有の付随的な症状を生み出すだろう。しかしその症状は病そのものから発した症状である。
§181 そうして現れた付随的な症状は、レメディによって引き起こされたものだが、実はその人の病そのものから現れたものでもある。つまりその症状の総体が現在の真の病的状態であり、それを治癒しなければならない。
§183 最初のレメディがもはやそれ以上働かなくなったら、現状を記録し、それに基づいて次のレメディを見つければよい。
そのレメディは今の状態にまさに適したものであり、症状の数も増え、症状像としてより完全になっているはずであるから。
§184 これを回復するまで続けること。