今月の活動

2012年10月国際セミナー(クラシカルホメオパシー京都主催)

2012年度:国際セミナー10月6日~8日

今年度は、クラシカルホメオパシー京都主催で国際セミナーを開催しました。

クラシカルホメオパシー京都専門コースの在校生全員と卒業生の有志を中心に学校外からの参加者も含めて、のべ50名ほどの参加者になりました。

今回のトピックスは、講師のJo先生と参加した生徒さん達の一体感でした。これほど盛り上がったセミナーはとても珍しいと思います。会場全体に常に心地よい風が吹いているかのようでした。

講師は昨年と同じでしたが、講義内容をより吟味して、参加した生徒さんのレベルにマッチした内容を準備して頂いたせいか、質疑応答の時間が特に充実していました。
質問のレベルも高く、それに対するJo先生のお答えが素晴らしいものでした。

Jo先生は、長年ホメオパシーが忘れられた存在だった30年前に、イギリスに出来たばかりの専門校 School of Homeopathy の第1期生として入学されたそうです。
当時の同期生たちや仲間は、今世界的に活躍していいる巨匠ホメオパスばかりです。
長年イギリスとアメリカでプラクティスをし、学校を営んで来た人が持つゆるぎない姿勢と、とても温かく丁寧な解説に参加者全員が魅了されました。
後で講義ノートを復習した生徒さんの話では、その内容の濃さに圧倒されたようです。

<1日目>

講義の導入は、子供に対するトリートメントでした。
大人に対することとは少し違う実践的な対処法を細かく丁寧にまとめて解説するところから始まりました。まずは子供によく利用するレメディを一通り解説した(Sulph.Phos.Calc.Bar-c.など)後、ケース学習に入りました

最初のビデオケースでは、少し閉鎖的な男の子が登場しました。
話を聞き出すことが難しい子供に対して、どうアプローチしたら良いのかを教えていただきました。
考察の結果、彼に与えられたたった一つのレメディ(シングルレメディ)で、彼は心身全体の健康を取り戻し、結果的に困っていた主訴は自然に消えて行きました。
その子が持っている自然治癒力がホメオパシーによって発揮されるのがよく分かりました。

次のビデオでは、ずっと元気で自立した男の子が登場しました。
リーダーシップがあり、小さい子供たちを引き連れて戦争ごっこに夢中な元気な子供です。彼にも、たった一つのレメディ(シングルレメディ)が与えられた後、健康を取り戻して行きました。

3つ目のビデオでは、他のホメオパスもかかわって長い間、多くのレメディを使ってきた混乱してきたケースでした。
混乱した時には原点に戻って考え直すという基本に戻ることで、素晴らしいレメディにたどり着いた内容でした。

いずれのケースも身体の部分的不調だけに注目しないで、精神面、性分、行動パターンなどの全体性をとらえた上で、その全体にマッチした1つのレメディで、健康を取り戻して行く様子を伝えて頂きました。

子供は、回復力に優れていますからホメオパシーには本当によく反応してくれます。一番やりがいを感じられる対象ですね・・・とのJo先生からのコメントが印象的でした。
先生がホメオパシーを学ぶきっかけは、最初のお子さんが生まれて間もなく、赤ちゃんに化学薬剤を飲ませたくなかったことがきっかけだったようです。

<2日目>

この日は今回のメインテーマ~マヤズムについてです。
マヤズムは1つのマップであるという視点からお話に入りますね、との解説から講義が始まりました。

ホメオパシーの創始者ハーネマンは、マヤズム理論を通じて、その人に生じるすべての症状がつながった1つの全体であるという視点を与えてくれました。
一方で、現代医学では、症状はすべて独立してそれぞれある、と分けてみる傾向があります。
そこが、ホメオパシーが現代医学と根本的に違う点です。

Psora、Sycosis、Syphilis、などそれぞれのマヤズムは、大きなグループとして、共通の傾向を持ったものとして考えることで実践で役に立つことについて、解説されました。本当に理路整然とした素晴らしいマヤズム解説でした。

予想どおりその後の質疑応答は大変活発になりました。ホメオパシー学習で、最も理解がしにくいテーマですから、参加者の皆さんから留まることなく質問が出て来ました。
Jo先生は、困るどころか微笑みながら心から楽しそうに答えておられました。

ケース学習では、マヤズムの中心的なレメディ(Nosodes)を使ったものが、紹介されました。マヤズムの質感を学ぶには、このNosodesを理解することが一番であることを教えていただきました。Psora.Med.Syph.などを使ったケースを学びました。

<3日目>

午前は、スパイダーのレメディを必要とする子供のケースから始まりました。
登場したのは、とても特徴的な行動をする子供でしたから、スパイダーだとは分かるのですが、よく知られたものではなく、めったに使うことがないレメディが選ばれました。
最新のホメオパシーにおいてレメディを探して行く方法は、まずはグル―プで見当をつけて、その後そのグループ内から、最も類似性が高いものを選んで行く方法です。
このやり方になったのは、ここ10~20年のことですが、そのおかげでレメディの選択の幅が、各段に広くなりました。

その後、今日の中心テーマである「ぼんやり系のレメディ」です。
Anh.やCann-i.など有名なレメディのケース紹介がありました。
日本では、比較的この分野のケースが少ないので、とても勉強になったと思います。

3日間のセミナーを受講して感じたことは・・
まだ、専門的な勉強を始めたばかりの1年生から、すでにプラクティスをしている方まで幅広い参加者を満足させる内容でした。

僕ら講師も、個々のケースを通じて著名なレメディをより深く学ぶことが出来ましたし、何よりも生徒さんへの伝え方に多くのものを学ぶことができました。
本当に素晴らしい先生です。また、是非とも教えて頂きたいなと思いました。(文責:荻野)