今月の活動
2012年6月講義(3年生)
6月9日(土)荻野千恵美講師
レメディ学習の前に、オルガノンを学びました。
今回は、急性病と慢性病について学びました。
ハーネマンは、オルガノンで、この2つの病について明確に分けて考えることの大切さを述べています。
レメディは、Lyss. Dulc. Caps.を学びました。
(写真は上=Caps.唐辛子、下=狂犬病の犬)
特に、Dulc.とCaps.はナス科のレメディ共通の感覚も感じて頂きながら進めました。Lyss.は動物系のレメディですが、ナス科に似たところがあるので、選んでみました。
Dulc.については、丁度、ある生徒さんが、スーパーバイズの検討ケースで、選んだばかりでした。実際の人物像の概略の紹介があり、生徒さんたち全員が具体的にレメディイメージを得ることが出来ました。実際、このレメディを選ぶのは、経験豊富なホメオパスでも難しいものです。
通常は冷えや湿気で身体的に悪化するところから分かることが多く、Rhus-t.やKali-c.と間違えやすいと言われています。
Caps.はトウガラシを原料とするものでホームシックのレメディとして有名なものです。
オルガノン§72~81引用(要約~抜粋)
§72 人間の病には二つある。
A)急性病:病的進行が速く、適度に短い期間で病の進行を終える。
B)慢性病:初期の段階では目立たず、少しずつ健康を蝕んでいく。
生命エネルギーは病気に対して不完全で不適切で無駄な抵抗を企てるだけで、自分のかかった病を独力で消滅させることはできない。最終的に身体が破壊されるまで異常な状態にする。この病気は慢性マヤズムを通じてダイナミックな感染によって発生する。
§73 急性病:急性病には二つある。
~略~(ここで、ハーネマンは急性病の分類も細かくしている。)
§74 医原病はアロパシー療法によって作用が激しく英雄のように戦う薬を増やしながら大量に投与され続けることによって起こる。これも慢性病のひとつと見なさなければならない。アロパシー薬に対して生命エネルギーは、生命を維持するために身体の体制を変えなければならない。そうして身体の内側と外側のいたるところに欠陥が生じる。
§76 本来、ホメオパシーは、アロパシーによる病ではなく自然の病から人間を救うものである。
§78 慢性マヤズム:真の慢性的な病は、”慢性マヤズム”から生じる。
これを放置したり、それに対応するレメディを使わなければいつまでも悪化の一途をたどる。
§79 慢性マヤズムの種類
SYPHILISマヤズム:不治の病として死とともに消えると思われてきた。
SYCOSISマヤズム:これも不治の病だが皮膚の腫瘍を破壊するだけで治癒したと考えられてきた。
§80 PSORAマヤズム
他の2つのマヤズムよりも計り知れないほど蔓延し、はるかに重要なマヤズム。
PSORAは身体全体が完全に内的に感染した後になって初めて特有な発疹が出る。
PSORAはほとんど全ての数え切れない病気を生み出す真の根本原因である。
§81 このPSORAは数百世代にわたり少しずつ受け継がれ、広範囲に無数の病気の形をとって蔓延した。こうして生み出されたものには別々の病名がつけられた。
6月10日(日)荻野講師・野村講師
3年生の授業で、最も大切な「初回レメディの査定と2回目のセッションで何をどのように考えて行くか」について学びました。
まだ、生徒さんたちにセッション経験が少ない段階での講義なので、充分な理解がしてもらえるか心配していましたが、事前に、ケント博士の哲学講義を精読してきて頂いたせいか、理解がとてもスムーズなのに驚きました。
午後からは、少し気分を変えて、野村講師によるマックレパートリーの演習をしました。
皆さんのほとんどがコンピュータレパートリーを入手されていますので、この演習は楽しいものになりました。
また、3時の休憩時間頃には、卒業した2期生の栗乃まろんさんから新たに2期生主体に全学年横断的に始めた自主的勉強会の紹介などをして頂きました。3期生の中にもすでに参加者がいて、皆興味津々でした。
その後、再度、午前の講義の続きに戻り、ケース学習を通じて「初回査定と2回目の考え方について」学びました。
今回は、初回セッションを受けて全体像を捉えるところまでで、一旦終了しました。。
次回来月の授業で、続きをすることにしました。皆さんそれぞれに、学習したケースのレメディを考えて来て頂きます。
グループ学習で、十分にケースを深めることができたせいか、全体像の捉え方は、全員的外れの答えがなく、着実に成長しているのを感じました。
今から、来月の授業が楽しみです。