今月の活動
2011年12月講義(2年生)
12月17日(土)高橋講師
最初に夏の課題~個人セッションの体験~を踏まえて、その反省や疑問点について一人ずつお話して頂いた。みなさんとても真面目な方ばかりなので、完璧にしないといけないと思い込んでいる様子がうかがわれた。真摯に取り組んでおられることにとても好感を持ててうれしかった。
それを受けて、オルガノンのケーステーキングについて再確認した。
今月のレメディ学習は、Plat. Kali-br. Iod. (Pall.)の3つ。
各レメディに対するとても良いイメージがいっぱい出てきた。3期生は全体に堅い感じがあったが、次第にリラックスして本来の豊かさが現れて来たように感じる。講師としてもとても楽しかった。
特にPlat.のイメージはかなり鮮やかに出てきた。
最後に周期表のおさらいと各レメディと類似したエネルギーを感じる映画を紹介して講義を終えた。
オルガノン§83~(要約/一部抜粋)
§83 症例を”個別化”したものとして捉えるために
A)偏見を持たないこと。
B)健全な分別を持つこと。
C)症状像を注意深く観察すること。
D)忠実に記録すること。
§84 セッションでの心構え:
A)感覚器官を総動員して、
B)クライアントに起こった変化と異常を
C)クライアントと同じ表現で、
D)全てを、
E)正確に記録する。
F)自分は黙ったままで、患者と家族に話をさせる。
G)話をさえぎってはならない。
§87 「はい」「いいえ」で答えるような質問はしてはいけない。半分しか本当でないときもどちらかにしなければならないから。即答できるような質問も良くない。患者が誤ることもあるから。
(注)「~ではないですか?」という質問は誘導的になるのでしてはならない。
§89 唯一信頼が置けるのはクライアントの言葉のみである。クライアントの話すことに全幅の信頼を置くこと。
12月18日(日)野村講師
オルガノンの中で、最も理解が難しいと思われる「精神・感情の病」の単元(§185~230)について講義した。
Bell.とCalc.の関係を例に出して、具体的な解説を試みた。
理解しにくい点だが、慢性病と急性症状に対するハーネマンの考えが、おおよそ伝わったと思う。卒業後、実践を通じて、理解は深まって行くと考えている。
まとめ的に、精神感情の問題を抱えた方のケース学習をした。来月は続きをする予定である。
オルガノン(一面的な病)§185~230(要約/一部引用)
§210 一面的な病は全てプソラに属すが、症状が一面的なので治癒は困難である。感情・精神的病もこの種のものである。
治癒を成功させるには症状の全体像のなかに、感情・精神の状態をも記入しなければならない。しかしそれは変化するので、分かりづらい。
(注)感情・精神の状態は、病になると一変し、人が変わったと思うほど正反対になることもある。
§211 感情・精神の状態は、患者の固有性を示すため非常に重要だが、隠されていることが多い。
§212 レメディのプルービングにおいては必ず感情と精神に変化を起こす。
§213 身体症状と精神症状がマッチしたレメディでないと、急性の場合においてさえも治癒は不可能である。
§215 ほとんどすべてのいわゆる精神・感情の病は身体の病に他ならない。なぜなら身体的症状が後退すれば精神的症状が激しくなるから。
§216 症状が感情・精神的な方面に移行すると、ほとんど身体症状は消失する。([粗野なもの=身体]→[精妙な器官=精神]への転移・誘導)
§217 上記のような場合、レメディの類似性は身体症状だけでなく精神症状のより正確な特性をとらえる必要がある。
§224 精神・感情の病が発症し始める時点において、
A)理解を示し、好意的に励まし慰めて好転するなら、その精神の症状の原因は教育の失敗・悪習・迷信・無知などである。
B)悪化するなら、身体の病気から生じたものである。
§225 病は「身体→感情」だけではなく「感情→身体」へ進行するものもある。
§226 心情によって生み出される感情の病は身体症状を表出していなければ、信頼し励まし忠告すること等で急速に改善する。
§228 精神・感情の問題がある場合には以下のことが必要。
A)規則正しい生活。
B)患者の状態にふさわしい態度。
C)身内、医師による心理的働きかけ。
D)物を壊したり傷つけたりしても責めないこと。
§230 精神・感情の病には、完全とも言えるほどに適合したレメディが必要であり、それでしか治癒は出来ない。そしてそれはできる限り極微量の投与量でよい。