今月の活動
2011年9月講義(1年生)
9月24日(土)高橋講師
講義を始める前に「ホメオパシーはなぜ人に変化をもたらすのか?」と聞かれたとき、どう答えるかを話し合ってもらった。
ほとんどの生徒さんが、今の科学では証明されていないが、自分の経験などを通して実感として伝えるしかないという意見だった。
それを受けて、改めてオルガノンを確認した。(§28~§31)
そこでは・・・原因を探る必要はない、病気が何であるのかを観察するだけである・・・とハーネマンは述べている。
レメディ学習として「自信がないレメディの典型」Lyc.に似ているレメディを紹介した。Sil. Thuj. Med.といったSycosisマヤズムのレメディである。
いずれもとらえにくいレメディであったと思うが、Sycosisマヤズム独特の病理的背景から、自分の弱い部分を隠蔽したい傾向や過剰感が生じてくることが理解できたと思う。(画像はThuj.=ニオイヒバ)
レメディ学習の最後に皆さんの意見を確認してみたが、「他人を偏見で見ることが減って生活や対人関係が楽になった」という意見を聞くことが出来た。
レメディ学習を通して生徒さんの内面の成長を感じられた授業となり、嬉しかった。
オルガノン要約(抜粋)
§28 先に述べた§26の基本法則は事実であるから、そのメカニズムを科学的に説明するのは重要ではない。以下の見解(§29~34)は経験上事実として認められる。
§29 自然の病気はレメディよりも少し弱く働くので、レメディによって根源的生命から消失してしまう。そのとき根源的生命はレメディによって活動させられ支配されている。
(注)レメディのエネルギーは自然の病気よりもはるかに強いが、作用する期間が短いため、VFによって容易に排除される。但し、慢性マヤズムの作用は、より効果的なレメディを使わない限りVF単独の力では対応できず、生涯続く。
§30 したがって人間の身体を変化させる力は、自然の病気よりもレメディの方が強い。
9月25日(日)野村講師
今月の1年生の授業の目的は、レパートリー(レメディの逆引き書籍)に慣れて苦手意識をなくすこと。
これは2000ページ以上もある巨大な本で(かなり重い)、的確に使いこなせるようになるには最低でも数年は必要である。
オルガノン§3にあるように、ホメオパスのメインの仕事は病の全体像をつかむことと、それに適したレメディを見つけることである。レパートリーは後者のレメディ決定に用いる主要な道具である。
授業では簡単なケースを5つほど用意して、特徴的な症状を一つずつレパートリーで検索した。
英語表現が独特でもあり、最初のうちはなかなかうまく症状を見つけることができない。
CHKの講義では、主にレパートリーの用語を用いてレメディ学習をしているからか、1日が終わる頃には早くも「慣れてきました」「面白い」との発言が生徒さんから聞かれ嬉しく思う。
地味な作業だが、レパートリゼーション(候補レメディの順位付け)にも紙ベースで取り組んだ。
来月は国際セミナーなので、まだ取り上げていない主要マヤズムや元素の周期表(鉱物レメディ)ついて概観を説明した。
オルガノン§3
ホメオパスは次のことをはっきり洞察しなければならない。
第一に、その人において何を癒したらよいのか、言いかえると、全ての個々のクライアントにおいて何を特に療すべきなのか(病の認識と徴候の読み取り)。
第二に、レメディにおいて癒しの作用は何なのか、すなわち、全てのレメディにおいて何が癒しとしての作用なのか(レメディの治癒力に関する知識)。
そして第三に、明白な根拠にしたがい、クライアントにおいて確実に不健康と認められたものに対し、健康がかならず回復するようにレメディの治癒作用を適合させることである。
その場合、次の二点に気をつける。一つは、作用のしかたの点でレメディはその人に適しているかというレメディの妥当性(レメディの選択と適用)、もう一つは、レメディの調製と分量は厳密に要求されたものであり(正しい投与量)、反復投与する間隔は適切であるか、という点である。
最後に第四として、ホメオパスは、どんな場合でも回復を持続させるために何が健康を妨げているのかを知り、それをどうすれば取り除けるのかを心得ておかねばならない。
このようにしてホメオパスは、本来の目的にかなった根本的な癒しの方法を理解し、真の療法家となるのである。