今月の活動

2011年9月講義(3年生)

9月10日(土)渡辺講師

今回の病理症候学の講義は皮膚症状についてである。
まずは、特に皮膚に関係の深いアグラベーション(回復の過程で起きて来る一時悪化)についての理解を深めるところから、講義を始めた。

急性症状と慢性症状との関係の理解を促しながら、治癒の過程では「真の急性症状」が出ることが多いことを伝えた。また、講師の実践経験から、ホメオパシー的一時悪化が起きている時には、軽いプル-ビングが同時に起きて来ることもあることを付け加えた。
回復は全体像から判断すべきで、回復過程で起きて来る一時的症状などに惑わされて、不要なレメディを使わないことを伝えた。

皮膚疾患については、言葉では理解出来ないことが多いので、豊富な写真(約400枚)を使い、皮膚疾患をイメージしながら理解してもらえるように努力してみた。写真件数はもっと絞り込んだ方が良かったかもしれない。

また、皮膚疾患の知識だけでなく、皮膚症状の経験者の気持ちや、その治癒のプロセスの経験をシェアしてもらっていたら、より良い内容になったのではないかと思う。

今後の検討課題としておきたい。

オルガノン引用(要約)
§246
回復が順調に進んでいる時はレメディを投与してはならない。慢性病はレメディ粒によって時間をかけて(40日~100日)治癒が進むが、その時も投与してはならない。
しかしこういうことは非常にまれであり、患者や医者にとっては極めて迅速な治癒を達成することを希求しなければならない。そのためには、
A)レメディが極めて適切に選ばれること。
B)ポーテンタイズされたレメディを使うこと。
C)極微量で用いること。
D)適切な投与間隔を設けること。
E)投与するたびにポーテンシーを変えなければならない。なぜなら根源的生命力は最初のレメディによって状態を変えているから。(ハーネマンが最晩年にたどりついたLMポーテンシーという投与法のこと~§248参照のこと)

9月11日(日) 野村講師

先月課題に出したケースについて、ケース全体の理解から、一つのレメディに辿り着くまでのプロセスを学んだ。同時に先月から使い始めたコンピュータレパートリーにも慣れることも目的のひとつに入れた。

これまでのケース学習やスーパーバイズでの反省を踏まえて、今後のケース学習においては、ケース自体の理解により重点を置く方向に転換することにした。

つまり、ケースの理解においては、ホメオパシー的な観方すら排して臨み、レメディを探すこととはきちんと分けることにした。

ケースを偏見なく理解できたら、初めてレメディ探しにとりかかる。その際には、マテリアメディカはもちろん、マヤズム分類やマックレパートリーなどの道具をフルに活用する。

今後のケース指導は、この方法で進めて行く方針である。

オルガノン抜粋(要約)
§6
偏見なき観察者が唯一知覚すべきものは、外部に表現された病の徴候・現象・症状の全体(本来の健康状態からいかに逸脱しているか)である。療法家は、生命エネルギーの病的な作用(逸脱部分)全体を「観察」する必要がある。(表現された症状以外に見るものはない)