今月の活動

2011年7月講義(3年生)

7月9日(土)渡邉講師

3年生は、スーパーバイズ(講師の個人指導)付きで、身の周りの方の個人セッションの実習を始めかけている。

そういう時期を考えて、今回講義の前半では、2回目のセッションの仕方について講義した。1回目の投与後の2回目のセッションでは、一体どこに焦点を当てるか?についてポイントを絞って伝えた。

翌日は「2回目の処方」についての大切な講義なので、それと連携したものになればという思いで、オルガノン§245~263の要点を読みながら確認していった。

後半の病理症候学は、子供の病気についてである。
最近は、いわゆる小児病が減り、次第に精神面での乱れ(登校拒否や発達障害など)が多く観察される。

このあたり、現代医学や他の代替療法では限界を感じておられる方も多く、ホメオパシーの得意分野でもあるので、将来、相談を受ける機会は増えると思われる。

もちろん、ケースバイケースなので、必ず改善できるかはわからないが、ホメオパシーによる改善の可能性は海外のホメオパシーでも実証されていることを伝えた。同時に、子供さん本人だけでなく、家族、特に母親を癒すことも重要であることも理解してもらえたと思う。

こういう対応が出来るホメオパスになって欲しいと切に願っている。

オルガノン抜粋§245~263(要約)

§245 ここからはレメディとその使い方、食事、使う時の注意について述べる。
   
§246 回復が順調に進んでいる時はレメディを投与してはならない。慢性病はレメディ粒によって時間をかけて(40日~100日)治癒が進むが、その時も投与してはならない。

§247 ポーテンシーを変えずに同じレメディを一回以上反復して投与してはならない。それは治癒すべき症状以外のレメディの症状を発症させてしまう。

§248 一時的悪化が出にくいレメディの飲み方。

§249 レメディ投与中に、初めて経験する激しい症状を呈した場合はレメディを間違えている。アンチドート(キャンセル)し、正しいレメディを選びなおすこと。
激しくない症状ならアンチドートせずに正しいレメディを投与する。

§253 悪化や改善の徴候は、クライアントの感情の状態や態度に最もよく表現される。
A)改善が始まれば、だんだん心地よくなり落ち着き気持ちが開放され元気になる。
B)悪化はその反対。(注)レメディが正しくても投与量(Dose)が多すぎる時はクライアントの感情を乱すので、Aのような徴候をすぐには気づくことはない。

§254 クライアントの中には悪化や改善を報告できないもしくは報告しない者もあるが、鋭く観察する療法家には、悪化したのか改善したのかは明白である。

§255 クライアントとは、病状のノートを一緒に検討することで、回復したのか悪化したのかを確信することができるだろう。感情と精神の回復が見られるなら、レメディによって病は後退していくだろう。

§256 新たに様々な症状が出た時、あるいは重い症状が生じた場合、レメディが不適切と見なすべきである。見た目の様子でも明らかであろう。

§257・258
「お気に入り」のレメディ、「苦手な」レメディを作ってはいけない。

§259 レメディ投与後は、強い作用のある食事法・養生法に基く生活によってレメディの働きをかき乱さないように注意せよ。レメディの働きは微妙・精妙だから。

§260 特に慢性症状においては治癒を妨げる持続的要因を取り除くことが重要。

§262 急性病の場合は、本人が必要としているものを欲することが多い。それを妨害しないこと。

7月10日(日)荻野講師

3年生で、一番重要な単元=2回目の処方について講義した。
この分野は、来月8月にかけて進めて行く。

2回目の処方が正確に出来るかどうかで、ホメオパスの力量は分かる。これが出来れば、プロフェッショナルホメオパスである。
それほどに重要なものである。

ジェームズ・タイラー・ケント2回目の処方については、オルガノンよりも、ケントの哲学講義の方がよくまとまっており、それを元に講義を進めた。該当箇所の35章を中心にゆっくり丁寧に進めた。

まだ経験が少ない生徒さんの理解を促すため、講師陣の具体的な経験談も交えながら進めた。まだ実感は得られないだろうが、卒業後実践に入った時に改めて考えて頂ければと思う。

この2回目の処方を出来るだけ体感して頂くために、講師が以前経験したケース学習もした。8月授業でも引き続き、ケース学習を中心に授業を進めて行く予定である。