今月の活動

2011年1月講義(1年生)

1月29日(土)荻野講師

レメディ学習も随分進んできた。
今回の講義に入る前に、とても基本的な問いかけを生徒さんにしてみた。

「レメディとは何か?」

この問いには、色んな答え方が出来ると思うが、きちんと答えようとすると、まずは、健康についてあるいは病気についてを理解できていないと無理だと分かるはずである。

つまりレメディについて述べるということは、ホメオパシー全体について述べることと同じことである。

皆さんの理解を確かめながら、オルガノンに沿ってこの一連の解説を進めた。
オルガノンの前半部分についてのまとめにもなったと思う。

今月のレメディ学習は、ポリクレストレメディの3つ
~コースティカムCaust.、メドライナムMed.、スーヤThuj.~である。

コースティカムは、ハーネマンが独自に調整した化合物で、昔からよく使われてきた有名
なレメディである。カリウム系レメディの社会性、カルシウム系レメディの敏感さ、サルファー
の熱感をあわせもつ。
精神的にも身体的にも「麻痺」との関係が強いものである。

メドライナムは、淋病と関係が深いレメディである。
「極端さ」が最大の特徴であり、情熱的でとても急ぐ人でもある。
地に足の着いた生き方ではなく、個性的な表現のできるアーティストに多いと言われている。
特に芸術的な世界で活躍するような人である。非常に繊細・敏感なタイプが多く、とても魅力的な人でもある。

スーヤは、ヒノキ科のニオイヒバ。背の高い常緑樹を原料とする。
この木は、表面はつやのある美しい緑の葉を茂らせているが、内側は
空洞、下草は一切生えないのが特徴である。
内的に弱さやもろさを感じていたり、自己評価が低かったりする。
それ故に外見に非常に気遣い、人に対してはとても丁寧な人
だったりする。

これら3つのレメディの身体的な共通項は、疣(いぼ)ができやすい
ということである。そして、内面と外面が大きく異なり、それを隠そうとしたり、
何かにつけてやりすぎる人でもある。
こういう特徴をもつレメディのことを、サイコティックレメディと呼ぶ。

今回は、生徒さんの身内にメドライナムと思われるユニークな方が数名おられ、その体験談で大いに盛り上がった。

1月30日(日)野村講師

今回はオルガノンから「急性病と慢性病」について。

ホメオパスにとって、最も大切なことの一つは、クライアントの「今現在」の問題がどこにあるのかを正確に「分別」することにある。
その見極めは非常に難しいが、常に頭の整理をしておくことが肝要である。

まずは大きく二つ、急性病に向き合っているのか、慢性病に向き合っているのかを発症の特徴から見極めなければならない。
急性病に必要なレメディと慢性病に必要なレメディは同じではないからだ。

急性病といってもいくつかある種類(流行病や急性マヤズム)のうちのどれなのか?
また慢性病の急性悪化もある。実はこれには慢性病に対するレメディが必要である。

急性病への対処が終わったら、慢性病に向き合うことになる。

重要な点は、急性病と慢性病は「逆」の関係になっており、急性病なしに慢性病をいやすことはできないということ。
慢性病に対するレメディは、穏やかな急性病を引き起こすのが目的だと考えることもできる。

急性病のレメディと慢性病のレメディの間には非常に深い補完関係がある。
急性病が分かれば、慢性病を理解することが容易になるのだ。

これはレメディの相互関係表(補完関係)からもうかがうことができ、その観点でレメディの勉強をすることで理解がより重層的になる。

まだ経験のない生徒さんには理解が難しい分野だが、卒業までに繰り返し、ともに学び合う機会を提供していきたいと思う。