今月の活動
2010年12月講義(1年生)
12月18日(土)野村講師
前半は「感受性」について。「感受性」はホメオパシーやクライアントさんを理解するに当たって、非常に重要な概念となる。病のあり方や、その人が必要とするレメディを如実に表わしていることが多いからだ。
「感受性」とは「どのような事物に過剰に反応してしまうか?」ということ。例えばどうしても苦手だと感じてしまうタイプの人や、とても好ましいタイプの人とはどのような人だろうか?
どんな人にも特定の「感受性」がある。日々生きていくなかでは無限に多様な出来事が身の周りで起きているはずだが、人は自分の「感受性」にかなったものばかりを拾い集めてしまう。最近では引き寄せるという言い方をする場合もあるだろう。
例えば、赤色しか見えない眼鏡をかけていたら、この世に赤でないものは存在しなくなる。また、赤でないものまで赤に見えてしまったりもする。
ホメオパスは、「この人はどのような色眼鏡をかけて生きてきたのだろう?」という視点でクライアントさんの病をとらえようとしているとも言える。その人の色眼鏡(病)が分かれば、同じ色眼鏡をもつレメディをとっていただくことで、「今まで赤色しか知らなかったけど、世の中は豊かな色彩でできているんだ」という「赤一色からの自由」(健康)を手に入れてもらう。
後半は「ヘリングの治癒の法則」について。これは、適切なレメディを内服した後に起こる変化を、ヘリングというホメオパスがまとめたもの。ホメオパシーを実践していくときの判断材料として理解しておく必要がある。
1.現れたときとは逆の順序で治癒が進む。
2.中枢から末梢へ治癒が進む。
3.重要な臓器から、比較的そうでない臓器へ治癒が進む。
4.精神から身体へ治癒が進む。
5.上から下へ治癒が進む。
もちろん、この順序で進んでいても進んでいなくても、改善や悪化については全人的な視点で評価しなければならない。
12月19日(日)高橋講師
レメディ学習の前に、旧約聖書の創世記の楽園追放の箇所を読み、生徒さんにどんな感覚がするか感想を述べてもらった。この箇所が人間の発達段階のうちの身体的自己の形成段階に対応しているという解説をした。
周期表でいうと第2シリーズ(炭素シリーズ)であり、第1シリーズ(水素シリーズ)におけるホールネスから分離が生じ、この段階は「私は独立した存在になっていいのか」「私は生きていけるのだろうか」という根源的な問題をもち、これは疥癬マヤズムの理解の助けになると考えた。
先月学んだGraph.やCalc.の理解が深まったのではないかと思う。
レメディ学習は、Nat-m.(ナットムール)の復習と、Staph.(スタフィサグリア)、Carc.(カシノシン)、Apis.(エイピス)を学んだ。
Staph.とCarc.はいずれも穏やかで完璧主義なレメディであるが、症状から全体像を感じるワークでは、Staph.には固まっていくエネルギー、Carc.では増殖していくエネルギーと違いが明確になり、もう一つのApis.(ミツバチ)では熱くセカセカしたエネルギーを感じる意見が多く、独学ではなかなか感じにくい言語から立ち上るダイナミズムを共有することができ、生徒さんにとっても講師にとっても楽しい授業になった。