今月の活動

2010年12月講義(2年生)

12月18日(土)荻野千恵美講師

講師の経験した比較的簡単なケース学習を通じて、ケースを受け止めてからシングルレメディに至るまでのプロセスについて系統的に学んだ。

オルガノン§83~の「ケーステイキング上の留意点」について再確認することろから講義を始めた。200年ほど前にハーネマンが記したこの単元は、今現在も尚世界のホメオパス達の基本姿勢として指針になっているのは驚きである。

今回のケース学習では特に「ケースを受けとめる」ことに重点を置いて、じっくり時間を掛けて講義を進めた。多くの初学者の場合、個別症状(Rubrics)に注意が向きすぎて詳細にとらわれ、ケースの本質~その人の何が癒されるべきか?~について、見失いがちになるからである。

同時に、ホメオパシーとは、人を分析することではなく、ありのまま受け止めて、ただ理解することであることを繰り返し伝えた。

まだ、なかなかシングルレメディに辿り着くことは難しいようだが、ケースに向き合う姿勢や、ホメオパスがするべきことについては、次第に理解が深まっているように感じた。

来春からは、ケーステイキングの実践的な勉強が始まる。12月~2月にかけてそのための準備を進めて行く予定である。

12月19日(日)荻野哲也講師

基本的にレメディは自然界のものを利用する。その元である三界(鉱物・植物・動物)について、それぞれの基本的な傾向を具体的レメディを通じて理解を促した。

その上で、対人的な問題を抱えやすい代表レメディ3つ~Ambr. Chin. Bar-c.~を学んだ。

Ambr.(マッコウクジラ由来の龍涎香:動物)もChin.(キナ皮:植物)も、敏感過ぎて、この世では生きにくい人にマッチする。Bar-c.(炭酸バリウム:鉱物)は学習障害に悩む子供や脳血管のトラブル以来思うようにならない高齢者にマッチすることが多い。

自然界からの助けを借りることで、人の乱れた生命力を修復することになるとは実に不思議である。この世にあるものは、すべて共存しあっていることを感じながら、三界それぞれのレメディを学べたように思う。