今月の活動
2010年9月講義(1年生)
9月25日(土)野村講師
本題は、「レパートリーの具体的な使い方に親しむ」であるが、講義はオルガノンの内容の質疑応答から始まった。
生徒さんが、講義で取り上げるよりも先にオルガノンを読み込んでいることは、講師としてとてもうれしいものである。
今月の講義は、ホメオパシーレメディの検索辞書「レパートリー」の具体的な使い方を学ぶことである。全体の構造を、演習を通じて理解してもらえるように工夫して講義を進めた。
レパートリーはマテリアメディカのいわゆる逆引き辞書であり、特有の症状から候補のレメディを探す時に使う。その構造はさほど複雑ではない。ただ、英語であることと、特有の決まりを理解する必要がある。習得に必要なのは慣れだけである。本棚に立てておくのではなく、リビングのテーブルの上などに常時置いて、馴染むことが修得の近道である。
世界の一流のホメオパスたちは、例外なくレパートリー使いの達人である。これを使いこなせることで、ホメオパスは偏見から自由になることも出来る。
9月26日(日)荻野千恵美講師
講義の前に、新聞紙上で取り上げられたビタミンK2問題について、ホメオパシーの視点から考える時間を設けた。
200年前、ハーネマンが記したオルガノンには、全ての療法は以下の3つに分類されると説かれている。
1)ホメオパシー : 症状に類似した作用を起こすものを使用する。
2)アロパシー : 症状と異なった作用を起こすものを使用する。
3)アンティパシー : 症状と反対の作用を起こすものを使用する。
主には不足しているものを物質的に補う。
今回ホメオパシーが批判の対象になったビタミンK2の問題の中心は、アンティパシー的にビタミンK2の不足を物質で補う必要があったにもかかわらず、ホメオパシー的レメディが使用されたことにある。物質的に不足している状態に対して、物質を希釈したレメディで補うことは不可能であり、なぜこのような方法がとられたのか不可解であり、残念でもある。
文献を調べた限りでは、Vit-k.(ビタミンK)というレメディのプルービング情報は見当たらなかった。もしプルービングされていないなら、Vit-k.がホメオパシー的にどのような特徴があるか不明なまま使われたことになってしまう。レメディは厳密にプルービングされたものを使う必要があるとハーネマンはオルガノンで述べている。
レメディを使うだけでは、それはホメオパシーではない。ホメオパシーの理論や原則が適用されて初めてホメオパシーと呼べるのだ。
今回の問題は、当該助産師がビタミンK2シロップの投与をご両親に無断で中止したことは論外として、ホメオパシーの理論を理解していないために起きた、レメディの的外れな使用方法に起因すると当方では考えている。
生徒さんたちは、今回の問題については冷静に受け止めている。
また、上記のような理解を十分にして頂いたと感じている。
レメディ学習は、Lach.(ブッシュマスター)、Merc.(水銀)、Aur.(金)という3つの破壊傾向が強いレメディを学んだ。いつものように、鮮明なレメディイメージが立ち上がり、楽しい授業になったと思う。