今月の活動
2009年12月講義(1年生)
12月20日(野村講師)
ヘリングの治癒の法則
適切なレメディを内服した後に起こる変化を、コンスタンティン・ヘリングがまとめたものが「ヘリングの治癒の法則」です。
必ずしもこのように進むとは限りませんが、理解しておく必要があります。
1.現れたときとは逆の順序で症状が消えていく。
2.中枢から末梢へ治癒が進む。
3.上から下へ治癒が進む。
これらは病が治癒していくときの表現ですので、病が進行するときの表現と逆になっているものと考えられます。
また、正しいレメディをとったときは、まず精神・感情的な改善が起こるとハーネマンは言っています。
今月のオルガノン
§253
すべての病気において、どんなに些細であっても改善が始まれば、患者は、だんだん心地よくなり、いっそう落ち着き、気持ちが解放され、元気も出てくる。一種の復活しつつある自然な状態になる。他方、どんなに些細であっても悪化が始まれば、改善のときとは正反対に、感情と精神の状態、全身的な態度、あらゆる姿勢や格好や動作における状態が、凝り固まってぎこちなく、いっそう同情を引き寄せるものとなる。
局所症状
通常、病気といえば局所の症状だけを指すことが多いと思います。
現代医学では顔についてだけでも眼科、耳鼻科、皮膚科、口腔外科、皮膚科などに分かれています。
しかしホメオパシーでは、分断されていない「ひとつのもの」だと病を考えます。
全体的な乱れがまず内部に起こり、それが特定の部分に表現されたものが局所の症状となります。
病は単なる局所症状ではありません。
ホメオパシーでは局所症状のみにアプローチせず、その人そのもの(全体性)を捉えようとします。
今月のオルガノン
§189
少し考えただけでも明らかなように、特定の外傷なしに生じる外的な症状が、内的な原因もなく、したがって病的な身体の全体と何のかかわりもなく発生することも、またそうした症状が特定の部位に居座り続けることもありえない。あるいはおそらく悪化することもまったくありえない。身体の全ての部分は、内的に相互に関連し、感覚と機能に関して一つの分割不可能な全体を形成する。
12月19日(高橋講師)
今月のレメディ学習は、Staph.(スタフィサグリア)Carc.(カシノシン)Apis.(アピス)です。
Staph.(スタフィサグリア)は、キンポウゲ科の2年性植物の種子が原料です。
スタフィサグリアの一般名は、この花の形から、ギリシャ語でイルカを意味するデルフィニウム。
日本名は、燕が飛ぶ姿に似ていることから、飛燕草と呼ばれます。
レメディの原料となるのは、この花の種子で、古くはしらみ駆除に使われました。
このレメディを必要とする人は、しらみがわいた時のように、知らぬ間に侵入されたというような怒りや戸惑いをした経験を
持つことがあります。背の高い気品のある花ですが、この姿のようにプライドが高く、この人も自分が感じている怒りや
憤りを抑圧してしまいます。
Carc.(カシノシン)は、乳がんの細胞からつくられたレメディです。
このレメディにマッチする人は、繊細で同情心が強く、特に批判されることに敏感です。
自分を抑え、周りの人が快適に過ごせるように奮闘努力しますが、
その代償として旅行や非日常的な気晴らしを求めます。
現代は癌の時代といわれていますが、厳しい管理社会に生きる私たちの中には、大人にも子供にも、このレメディを必要とする人が結構多いようです。
Apis.(アピス)はミツバチの働き蜂を原料にします。メスとして生まれながら、生殖はもっぱら女王蜂に任せ、ひたすら働いて過ごす大集団の一員として生きる働き蜂。
嫉妬、空しい忙しさ。イライラ、ソワソワ。このようなこの虫の生き様に似たエネルギーを持った人にマッチします。
身体的には、蜂に刺されたときのように、赤く腫れ、熱感を持つような炎症、アナフィラキシーショックなどのときによいレメディとなります。