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2016年8月授業報告(3年生~上級コース)
今月は、「先月のレメディの復習」「オルガノン学習(§124~142)」「今月のレメディ学習」「2回目の処方(実習)」「古典的ケース学習」を学びました。
「今月のレメディ学習」
今月は、自己アイデンティティーが混乱している2つのレメディ~Falco-p.とAlum.~を学びました。いずれのレメディも、非常に厳しい親の元で養育されたことと関連が深いレメディです。彼らは「自分」というものが希薄です。それゆえにやや極端な思考や行動に走ることもあります。
Falco-p.は、隼(はやぶさ)の羽から調整されるレメディです。
野生のものではなく、ヒナの時期から人間(鷹匠)に両足を紐でくくられたり、頭に頭巾などを被せられたりされるなど、残酷なほど厳しく飼いならされた隼の羽が原料になります。
授業では、最初に野生の隼の自由で伸び伸びした生態を動画などで見てもらい、その後に鷹匠に飼い慣らされる様子を見て、自由を奪われる感じをじっくり味わってもらいました。実は、鷹匠の存在は、紀元前から支配階級(王侯貴族や大名など)のたしなみとして始まり、今日まで続いて来たものです。
このレメディは、心の奥底では強く自由を希求しながらも、厳しい親などの抑圧に耐えて、それを甘んじて受け入れているような人にマッチします。
実際に、このレメディにマッチする人は、自分は、頭に袋や籠のようなものを被せられているように感じていることが多いようです。
以前、欧州で、このレメディのプルービングを実施した際に、ある少年が述べた言葉が残っています。
『ハヤブサの自由』~このレメディを飲んだ10歳の少年によって書かれた詩
僕は閉じ込められた鳥だ
僕は遊びたい鳥だ
大気の中で加速したい
大地の中で自由でいたい
僕は自由でいていいの?
もう一度大気を高く飛んでいい?
どうかもう一度さすらっていい?
もう一度大気を分けてもいい?
僕は大地を抜けて高く飛びたい、
大気がまた僕の顔を打ってほしい、
僕は急降下し 獲物をとりたい
僕は自由がほしい
・・・この詩が、このレメディの全体像を物語っています。
Alum.は、酸化アルミニウムから調整されるレメディです。
このレメディは、欧州では、認知症的症状の方にしばしば利用されてきました。
頭がぼんやりして、もやがかかったような感覚を持っているのが特徴です。内的には急いでいるのですが、実際(外的には)はとても行動が遅い傾向もみられます。
身体面は、全体にとても乾燥しています。肌は乾燥し、便秘気味です。
Alum.はレメディイメージが捉えにくいので、授業では、いくつかの特徴的な症状を一つ一つ理解してもらいながら、生徒さん個々に内的イメージが沸き上がってくるように進めました。皆さん、それぞれにじっくりと味わうように理解できたのではないかと思いました。