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2016年9月授業報告(2年生~中級コース)
9月10日(土)11日(日)
今月は、「先月のレメディの復習」「オルガノン学習」「今月のレメディ学習」「古典的ケース学習」を学びました。
「今月のレメディ学習」
今月は、Naja.Ferr.Stram.の3つのレメディを学びました。(画像は、Stram.)
Naja.は、インドコブラから調整されるレメディです。蛇の代表レメディLach.との共通点も多いレメディです。
授業では、まず蛇とそれを人間が捕獲しようとする映像を通じて、「蛇一般の生態・特徴」をつかむことを目的に入りました。毒のある牙で噛みつく、身体に巻付き、川や池など水中に引きずり込んで、捕獲者の息の根を止めようとしてくる。そういう蛇のどう猛さ・執念深さ・怖さを理解した上で、今度はNaja.の映像を見て、比較することで、Naja.の質感の理解を促して行きました。Naja.の映像には、無邪気な人間の乳児と向き合い、その扱いに戸惑う、どこか生真面目で滑稽なインドコブラの姿が描かれていました。Naja.には、他の蛇には見られない、高貴さ、優しさ、細やかな気配りが見られます。
Naja.は蛇の代表レメディのLach.のような激しさというよりは、むしろPuls.(アネモネ)のような繊細さや優しい面を持っています。同時に、Aur.(金)のような高貴さと責任感も持ち合わせていて、しばしば、心臓の不調に活用されてきました。
その一方で、クヨクヨと考え込むような陰気さもあり、その裏には分裂と葛藤が見られます。Naja.の内面は、強い義務感と自分が不当に苦痛を味わっているという感覚との間で引き裂かれています。それはまるで人間社会の「嫁・姑」の関係に見られるような状況に似ています。自分の立場上、相手を尊重して従わねばならない(義務感)けれど、その一方では、自分に与えられた苦痛に対してやり返したい気分(反発・攻撃)があります。
分裂と葛藤は「蛇類レメディ」全体に共通するテーマです。
Ferr.は、「鉄」から調整されるレメディです。
まず、皆さんに、「鉄」についての印象を出してもらいました。堅牢さなど強く良いイメージばかりが出て来ました。それを裏付けるような強くて硬い鉄製品の映像を見た上で、鉄の女~サッチャー元英国首相の「サッチャー語録」などの紹介をしました。最後に、錆びてボロボロになった鉄製のモノの姿も確認してもらいました。鉄には、堅牢で強い面と錆びてボロボロで脆くなる面の両面があります。そしてその両極面の間で、大きく変化が起きやすいという特徴があります。
生徒さんからは、フィリピンの大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏にイメージが近いのではないかとの意見が出て来ました。
インドの著名ホメオパス・サンカランは、Ferr.とは、親から無理矢理結婚させられることに反発する女性の状況に似ていると解説しています。自分の意図とちがい、親からの無理やりな態度に怒りを持つ。しかし、それに強く反発しながらも、どこかで従う義務感も強く感じてしまい、結果的に罪の意識を持ちやすいという心情です。
「鉄」のレメディが持つ強制に対して反発しながらも従属し、結果として罪の意識を持つ感覚は、「蛇」のレメディNaja.の感覚と少し似たところがあります。これがホメオパシーの面白いところです。
Stram.は、ナス科の植物から調整されるレメディです。著名なナス科のレメディ・ベラドンナBell.の兄貴分的なレメディです。
植物レメディですから、いつものように、その姿形と生息環境を映像で見るところから、授業を始めました。
Stram.の特徴は、暴力・恐怖・痙攣(発作)の症状と関係する点です。
そして、独特のDelusion.(妄想)=荒野で一人ぼっちでいるという=が特徴的なレメディです。Stram.の人は、光を求め、闇を恐れます。そして、一人でいることを恐れ、仲間を求めます。
生徒さんからは、まるで、イラクに派兵された兵士のようだとの意見がでました。このレメディは、過去、まさにPTSDの状態に、使われて来たレメディです。
古典的な文献のアレンのキーノートには、すさまじい恐怖によって引きこもる特徴を持つレメディ「Op.」との関連と比較が多く述べられています。