今月の活動

金のレメディ「Aurum」そして「自然界の声を聴く」

こんにちは、CHKの荻野哲也です。

今月は、私が、レメディについて書いてみます。

 

先月は、銀のレメディ「Arg-n.(硝酸銀)」のご紹介をしました。

今月は、金のレメディ「Aur.(純粋な金)」のお話をしたいと思います。

 

その前に、みなさんはホメオパシーのレメディとは、何だと思われますか?

 

ご存知のように、レメディは、ものすごく薄めてあります。単純に薄めたものではありません。作り方は、100倍に薄める(希釈)ごとに、振盪(摩擦を加えて)して作ります。

金や銀という自然界の物質を原料にして、希釈・振盪を繰り返すと、元々あった自然界のモノは、どう変容するのでしょうか?

 

そこには、もはやモノはなく、金や銀に内在していた潜在力が、立ち現れて来るのです。

この自然界のモノにどのような潜在力があるのかを確かめるのが、プルービング(人体実験)というものです。

プルービングは、レメディを健康な人たちに含ませることで、人の心身全体に現れて来る感覚や精神/感情症状・身体症状を確かめて、記録してゆくものです。

いわば、もの言わぬ自然界(動物・植物・鉱物)の内なる声を、人間が代弁するようなものです。その声をまとめたものが、レメディの効能書「マテリア・メディカ」です。

 

私達、ホメオパスは、プルービングを通じて生まれたレメディの不思議な潜在力を感じるにつけ、ホメオパシーという経験科学の持つ魅力に惹かれてしまいます。

 

このレメディのお話シリーズでは、自然界の声に耳を澄ませて行きます。

 

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では、金のレメディのお話を始めましょう。

 

金から作られるレメディは、『Aur オーラム』と呼びます。

 

金は、太陽のように美しく光り輝く鉱物です。

人類が発見した最古の金属といわれています。

やわらかく加工しやすいため、古代から、さまざまな工芸品や装飾品が作られてきました。展性に優れているため、叩いて薄く延ばせば、1gの金は1平方メートルにも広がります。延性にも優れ、1gが28Kmにもなります。展性・延性いずれも鉱物の中で1番です。

また、耐久性に優れ、空気中または水中では、永久に錆びたり朽ちたりしません。

そして、なんと言っても、採掘量が非常に少ない。

ですから、古代から貴金属として、誰もが欲しがるあこがれの存在でした。

 

この輝きと希少性のために、富と権力、永遠の価値の象徴として珍重されてきましたが、それゆえに、人間同士の争いの種となり、多くの悲劇も生んできました。

 

歴史的にも、古代エジプトでは、王以外が使うことを禁じられていたとか。

世界各国で貨幣としても使われてきましたが、庶民が手にすることのできるものではありません。

オリンピックで最高のパフォーマンスができた人に与えられるのは、金メダルです。

日本でも、室町時代は、足利幕府三代将軍、足利義光が建立したのが、金閣寺です。

東北の奥州藤原氏も、三代にわたって繁栄しましたが、そのときに建てられたのは、中尊寺金色堂。

 

このようなモノを原料とするレメディを必要とする人とは、どのような方でしょうか?

金のレメディには、どのような潜在力があるのでしょうか?

プルービングをしたら、一体、どんな声が聞こえるのでしょうか?

 

金のレメディAur.の授業のはじめには、モノとしての「金」について、話し合ったり画像を見たりしながら、色々イメージしてゆくことから、始めます。

 

生徒さんたちは、自由に金のイメージを膨らませます。

 

ポジティブなイメージでは・・・

強壮・万能・完璧・王様・高貴さ。

地上に届いた太陽。

大切に扱われる。

・・・等など、力強く高貴なイメージです。

 

ネガティブなイメージでは・・・

孤独。一匹狼。ピークにいる(孤高)。

かまってほしい。愛に飢えている。

自意識が高い。懐疑的。うつ。

高いプライド「どう私を見なさい。」

重要な臓器にトラブルを持つ。

・・・等など、かなり緊張感が出てきました。

 

現実のAurを必要とする人は、このネガティブな感じに似て、重いものを背負い、とても高いところにいる孤独な人です。

 

ホメオパシーでは、Aur.の一番の特徴的な症状は、絶望感や憂鬱。そして、自殺傾向です。

 

例えば、このような特徴的な症状があります。

MIND; SUICIDAL disposition; throwing himself from; height, a

(自殺的傾向:高いところから身を投げる。)

金の人にとって、背負った重みから解放される唯一の手段は、自殺です。

高いところにいる人なので、自殺のスタイルは、高いところからのジャンプです。

 

Aurは、責任感が強過ぎて良心の呵責や罪の意識を感じやすい人。

名誉心が強く、勤勉で働きすぎ。周りに弱音を吐きません。

限界を超える努力をしているので、批判や反対されることには敏感です。

自分に厳しすぎることからくる、自己非難、自己軽視、見捨てられた孤独感を持ちます。

笑ったり、楽しんだりすることが出来ません。誰ともうちとけず、一人ぼっち。

 

身体的にも、重い症状を持ちやすいです。

心臓・循環器、肝臓や腎臓、目、骨などに症状が出てきます。

 

Aurは、責任と関係が深いレメディですが、子孫を残す(生殖)ことも重い責任の一つかもしれません。Aurの人は、生殖器にも親和性をもちます。

 

また、Aur.は、分類上、もっとも絶望的で深刻、もっとも病の深いマヤズムに属します。

 

 

黄金に光り輝く、人々の憧れのモノがレメディになった時、暗く深刻で絶望的な症状を持つ人を癒やすものになる・・・なんて不思議でしょうか。

 

もし、あなたか、周りの誰かが責任を重く感じすぎて、心身の不調に悩んだりして、行き詰まっていたら、このAur.のことを思い出して下さい。

 

 

 

ではまた