今月の活動
『Agar.アガリカス』
12月に入り、三井寺近くの琵琶湖疎水の桜の木々は、
ついに1枚残らず葉っぱを散らしてしまいました。
いよいよ本格的な冬の到来です。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
CHK荻野千恵美です。
今では、年末年始も、スーパーやコンビニが開いていて、
私が子供の頃のようなあわただしさは見られなくなりました。
師走と言えば、昭和育ちの私は、商店街の賑わいを懐かしく思い出します。
今、私たちが住んでいる大津の町にも商店街(菱屋町商店街)がありますが、
ご多分に漏れず、往年の賑わいを失っています。
そして、私自身も、昭和のお母さんのようなおせち料理を作らなくなってしまい
ました。せいぜい、箸休め程度の、ごまめ、黒豆、なます、煮物くらいでしょうか。
でも、少ないながら、家族が集まって楽しむ食事の準備を応援してくれる店が
健在なのもうれしいところです。
お雑煮用の餅は、私たちお気に入りの和菓子の店に予約しました。
「茶菓 山川」
白みそは、創業明治元年、150年続く、白みそ専門店で求めます。
「九重味噌」
野菜は、県内で育てた有機野菜を販売を始めた小さな八百屋さんがお気に入り。
「なないろや」
https://www.maff.go.jp/kinki/tiiki/otsu/photo/20230120.html
そして、創業江戸時代、岡倉天心の先生だったフェノロサが愛したという
老舗漬物屋さんも元気に営業されています。
「八百與(やおよ)」
今年は、どんな年末年始になるかな?
皆さんも、ぜひ、楽しい年末年始をお過ごしください!
さて、
今回は、間もなくやってくるサンタクロースと同じ、赤と白の姿で、
世界各地の林に自生するキノコを原料にしたレメディをご紹介したいと思います。
2019年8月にブログに投稿した記事です。
https://ameblo.jp/sunny-garden/entry-12505526299.html
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『Agar.アガリカス(Agaricus muscaris)』
原料は、ベニテングダケ。
北方、高緯度地方、白樺林などに自生するキノコです。
https://nokkeushi.blog.fc2.com/blog-entry-2040.html
林を歩いているとき、このような姿を見たら?
なんだか、おとぎの国に迷い込んだような気持ちになりそうです。
可愛いけれど、毒気も感じるので、食べようとは、思わないですね。
赤と白は、どことなくおめでたい感じもします。
古代から、幸運のシンボルだったようです。
このキノコのデザインから彷彿されるのは?
スーパーマリオ。
キノコ王国が、侵略されピーチ姫がさらわれてしまいますが、
大工の兄弟が勇敢にも敵を倒して、突き進むゲームです。
30年以上前になりますが、日本中の子供を夢中にさせました。
そして、サンタクロース。
あんなに大きなサンタさんが、たくさんプレゼントの入った大きな袋を担いで、
なぜか、子供たちのいる家の煙突から入っていきます
トナカイにそりを引かせて、夜空を飛んでいくこともできる。
子供達に喜びを配る、クリスマスの主人公です。
不思議の国のアリスにも登場します。
不思議なうさぎを追いかけたアリスは、穴に落ちてしまいます。
そこは不思議の世界。
かじると大きくなったり小さくなったりする不思議なキノコとして登場します。
ベニテングダケの毒性は、それほど強いものではありませんが、
嘔吐・下痢など胃腸症状や、アトロピン様の瞳孔拡大作用、
幻覚・幻聴などの感覚神経異常、痙攣などの運動機能障害を起こします。
こういった作用を利用して、古くから宗教行事に使われたり、
シャーマンがトランス状態になるために使ったりしてきたようです。
また、バイキングは、恐怖心をなくすために、戦いの前に飲んだそうです。
授業では、これらの原物質情報から、このレメディの症状を想像し、
話し合ってみました。
すると・・・
・幻覚や痙攣などの症状を持つ人。
・冒険心や好奇心が旺盛な人。
・・・などの、意見が出てきました。
ホメオパシーのレメディの症状として「妄想」というものがあります。
事実は、まったくそうではないのに、まるでそうであるかのように
思い込んでしまっている。その人独特の内的世界。
このレメディには2つの有名な「妄想」の症状があります。
MIND; DELUSIONS, imaginations; water; lake, a spoonful of water is a
妄想;スプーン1杯の水が湖に思える。
MIND; DELUSIONS, imaginations; hole; small, is a frightful chasm
妄想;小さな穴が恐ろしい岩の深い割れ目に思える。
大きさの認識がくるってしまっている失見当識の人です。
小さなスプーンの水を見て、まるで湖のように反応してしまうような人。
小さな穴が、まるで恐ろしいような深い岩の割れ目のように見えて、怖がるような人。
このレメディは、発達に問題のある子供~多動で、危険なことも平気でしてしまう子
や、神経系が侵され痙攣や筋肉の震えを持つ高齢者に良く使われてきました。
癌という病気を恐れるという症状も持つレメディですが、それ以外のことには恐怖心
を持たなかったりします。
体の動かし方も、心の動かし方も、バランスが取れないというのが
このレメディにマッチする人の特徴です。
しもやけのレメディとしても知られています。
しもやけは、寒さによる血行不良から起き、症状は赤くはれ、
熱を持ったような、痛痒い感覚になる感覚障害。
このレメディらしい症状だといえます。
夜に痙攣性の咳をする症状もあり、Focusマテリアメディカには、
結核系(マヤズム)のレメディだと書かれています。
結核と言えば、Tub.(結核菌由来のレメディ)が有名ですが、
インドの著名なホメオパシー臨床医Dr.Sarkarは、Agar.は、Tub.によく反応する子供に
良いレメディだと記しています。
Dr.Sarkarによると、
「Agar.=Tub.+向こう見ず+筋肉痙攣」と覚えておくと良いのだそうです。
もう、10年以上前になりますが、アメリカから来ていただいたJo Daily先生に
教えていただいたケースは、印象深いものでした。
多発性硬化症になった元スタントマン。
彼は元気だったころは、危険なこと、誰もしないようなことをすることに、
爽快感を感じていたそうです。
でも、本当は、ピエロの服を着て登場し子供を笑わせるときが一番楽しかったらしい。
筋肉もりもりの体格で、人を怖がらせることもできるけれど、
こんな大男なのに子供を喜ばせるほど楽しいことはない、という人でした。
なんだか、サンタクロースを思わせるようなレメディだと思って聞いていました。
生徒さんの中に、このレメディを勉強して、ロックバンド「The blue heart」を
思い出した人がいました。昭和人間の私には、まったくなじみのない歌手ですが・・。
でも、ドキッとするような歌詞を教えてくれました。
“ヒマラヤほどの消しゴムひとつ
楽しいことをたくさんしたい
ミサイルほどのペンを片手に
おもしろいことをたくさんしたい“
「1000のバイオリン」歌詞
https://www.oricon.co.jp/prof/2978/lyrics/I006231/
まさに「Agar.」の世界だと思いました。
ヒマラヤと消しゴム。
ミサイルとペン。
激しい音とパフォーマンスの世界です。
こんな風に世界を感じている人もいるんだ。
Agar.的なエネルギーを感じて、びっくりでした。