今月の活動
『シクラメン/Cyclamen』
こんにちは。
CHK荻野千恵美です。
2024年は、元旦に能登半島に大地震が起き、翌2日に、日本航空機と海保機との衝突炎上事故がおきました。
お正月早々こんな大事件が起きるなんて、いったいどんな年になるのだろう?
日本中の人々の胸に、重苦しい思いがよぎったのではないでしょうか。
年明けに起きた大震災を知って、私も1995年1月17日の阪神大震災を思い出しました。
当時、神戸市に住んでいた私達も激震に見舞われました。主人は、脳出血発症直後で神戸市内のリハビリ病院に入院中でしたが、病院内も大混乱だったようです。知人友人からは、踏んだり蹴ったりですね・・・と慰められた?のを覚えています。
でも、時間は淡々と過ぎていきます。
お正月休みは、あっという間に終わり、日常の生活のリズムが整い始める頃にやってくるのが、商売繁盛の神様に詣でる「戎まつり」です。
例年、京都えびす祭りは、1月8日から12日まで行われています。
https://kyotopi.jp/articles/3SVS9
その他に西宮神社では、10日午前6時に表門(あかもん)が開かれると同時に、威勢の良い男たちが本殿めがけて駆け抜ける「開門神事福男選び」という恒例の行事が行われました。
各地で戎まつりで賑わう1月10日は、私たち夫婦にとっては、記念すべき大切な日です。
41年前の戎まつりの日の夜に、私たちの最初の子供が生まれました。
出産予定日は12月31日でした。お正月を過ぎてからの10日間は、どのような気持ちで過ごしていたのでしょう?・・今となっては全く覚えがありません。きっと大きなお腹を抱えて年末からそわそわしていたのではないかしら。
当時私達は、西宮神社にもわりあい近い、武庫之荘という町に住んでいました。そして、選んだわけではありませんが、お隣が産婦人科医院でした。
お正月休みも終わり、主人が出勤し始めて数日たった日の早朝、破水しました。ほとんど寝巻のまま、素足にスリッパをつっかけて、徒歩30秒のお隣の産院に行き、その日の夜、息子は生まれました。おぎゃーおぎゃーと大声で泣いて産まれた赤ちゃんが41歳のおじさんになりました。
残念なことに、当時は、ホメオパシーのことは何も知りませんでした。
自分が経験した妊娠・出産・育児について思いだすたび、当時の自分や子供たちに使いたかったレメディは、いくつもあります。使ってみたかったなあ。
今月は、今の季節、花屋の店先を賑わせている鉢植えの可愛いお花を原料とするレメディをご紹介します。
去年の7月にブログに投稿したものです。
https://ameblo.jp/sunny-garden/entry-12811919342.html
『シクラメン/Cyclamen』
冬になると、可愛い鉢植えのシクラメンが花屋の店頭を色とりどりに飾ります。
この姿に、皆さんは、どんな感じを受けますか?
先週、3年生の授業で、生徒さん達とこのレメディを学びました。
シクラメンは、中近東、東地中海地方原産のサクラソウ科の球根多年草です。
その大部分は、北半球の温暖な気候の中で生育しています。
シクラメンの学名は、ギリシャ語のkyklaminosに由来し「旋回」という意味があります。
レメディにはこの植物の根を原料に利用します。
婦人科系の不調とも関係の深いレメディで、女性的なレメディの1つです。
このレメディはCHKでは、3年生か4年生で勉強します。この頃になると学んだレメディ数がずいぶん増えてきます。生徒さんたちから「なかなかレメディが頭に入らなくなってきた。」という声が聞こえてきます。
そんな時、私たち講師は、既習レメディの中で似た症状をもつレメディとの比較をしながら、授業を進めるようにしています。
もちろん、有名なマテリアメディカにもこういった記述は多く、Cycl.は「寒がりのプルサティラ」とか、「プルサティラとセピアの中間」と書かれているものもあります。
また、「精神的にはナットムール(岩塩)やオーラム(金)に似ている」と書いてあるマテリアメディカもあります。
精神症状でもっとも特徴的な症状は、
MIND; REPROACHES; himself
自責の気持ち。自分を責める人です。
この症状で有名なのは、ナットムール(岩塩)やオーラム(金)のレメディです。
この症状を持つレメディは、責任感が強くとてもまじめです。
鬱的な暗い気分でいることが多く、無口で、孤独を好みます。
同時にめそめそしやすい人でもあります。
「泣く」という精神症状の中でも、生理との関係が深く、黙って静かに泣くタイプです。
Cycl.は、以下の症状の中にあるレメディの1つです。
MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; menses; before
MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; menses; during
MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; menses; suppression of, in
MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; silence, in
生理前、生理中、生理を抑圧したときに泣きます。
泣くときは、静かに、だまって一人で泣くような人です。
身体面では、めまいと視覚障害が特徴的です。
シクラメンの学名は、ギリシャ語の「旋回」という言葉から来ているようですが、
まさに、Cycl.は、回転性のめまい症状で有名です。
VERTIGO; OBJECTS seem; turn in a circle, to めまい;物が回転して見える。
VERTIGO; TURNING; circle; in, as if めまい:まるで回転しているかのよう。
視覚障害が、めまい・頭痛・生理や胃腸の調子が悪いときに起きやすい人です。
VISION; DIM; vertigo; during 視野のかすみ:めまいの時に
VISION; DIM; headache; during 視野のかすみ:頭痛の時に
VISION; DIM; menses; during 視野のかすみ:生理中に
VISION; DIM; gastric complaints, and 視野のかすみ:胃の不調時に
視野のかすみ以外では、
VISION; FLICKERING 視野が点滅する
VISION; SPARKS 火花のように飛び散る
インドの巨匠、ラジャン・サンカランは、レメディ像を明確に教えるために、わかりやすい、典型的なタイプのケースを示してくれます。
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患者は45歳の女性であった。過去14年間、ボンベイにある大きな会社でアシスタントマネージャーとしてキャリアを積み成功していた。ここ2・3ヶ月、足に非常に酷い湿疹が生じ、ジクジクして痛みが生じるという訴えであった。彼女は全くなにもできなくなり、どこにも行けず家にじっとしていなければならなかった。湿疹の原因としてなにが考えられるかと尋ねると、おそらく心理的なものだと答えた。ある家族的な問題があるのだということだったが、それ以上詳細を話したがらなかった。
そこで私は夢について尋ねた。彼女は「私は大便の夢を繰り返しみます。便が通過する夢や便が散らかっている夢です」と述べた。話している間、彼女は決して私を真っ直ぐに見ようとはしなかった。目をきょろきょろさせて、脇を見ていた。そこで私が「その夢について話してください」と言うと、彼女は「わかりましたドクター。私の問題についてお話します。私には精神遅滞の息子がいて痙攣発作を起こします。この子が発作を起こす時にきまって便の夢をみるのです。妊娠中に私は、たくさんの便があってそこから子供の頭が出てきている夢をみました。誰かが、それは神様はご存じでしょうが、その頭を押し戻そうとしていました。その時、私は子供が大丈夫ではないだろうとわかったのです」と述べた。
話している間、彼女は非常に素速く目を動かしていた。そしてほとんど囁くようにして付け加えた。「私はそれを避けることができたのではないかと感じています。なにかできることがあったのではないかと思うのです」。
14年間勤務している間、彼女は子供のことを誰にも話さなかった。彼女はあらゆる社会的接触を避け、パーティにも出ず、たとえ休日を取ることが許可されていてもどこにも外出しなかった。仕事においては非常に能率的であった。たとえ夫が助けてくれていたとしても彼女は自分ひとりで子供の世話をする責任を感じていたのである。
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陽の光の少ない、一年で一番暗く寒い季節に、シクラメンは、小さな鉢の中に、白、赤、ピンク、紫など華やかな色合いで、健気に咲きます。
花の姿をよく見ると、めしべやおしべは地面を向いて、花弁は反り返るように上に突き立てています。
誰にも言えない辛く苦しい思いを、心に閉じ込めて、一人で頑張って生きてきたこの孤独な女性のケースに、どこか似ているような気がしませんか?